演題

PK4-1

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)切除例における術前画像検査での造影される結節の意義

[演者] 千代延 記道:1
[著者] 小野 宏晃:1, 巌 康仁:1, 松村 聡:1, 光法 雄介:1, 伴 大輔:1, 落合 高徳:1, 工藤 篤:1, 田中 真二:2, 田邉 稔:1
1:東京医科歯科大学大学院肝胆膵外科, 2:東京医科歯科大学大学院分子腫瘍医学

【目的】IPMNは軽度異型腺腫の段階であれば予後良好な嚢胞性腫瘍とされるが,癌化すると通常型膵癌と同様に予後不良な経過をとるため,術前診断での良悪性の明確な区分は困難である.IPMN/MCN国際診療ガイドライン2012により,high-risk stigmataに修正が加えられ,IPMNの手術適応に大きな影響を与えた.今回,high-risk stigmataの一つである「画像所見における造影される結節」に焦点を当て,当科でのIPMN切除例を通して病理組織学的検索をふまえ,その臨床的重要性を検討した.
【方法】2006年1月から2015年12月までに当科で外科的に切除したIPMN 81例のうち,術前画像検査にて造影結節を伴うと診断されたIPMN症例の病理学的検討を行った.
【結果】IPMN 81例のうち,術前画像検査にて病変内に造影される結節があると診断された症例は25例(4例の疑い含む)であり,IPMN切除症例の30.9%を占めた.他のHigh-risk stigmataに関しては主膵管径10mm以上の症例が15例(18.6%),閉塞性黄疸を伴う症例が7例(8.6%)であった.
当科における造影結節を伴うIPMN切除手術検体で,実際に拡張膵管内および嚢胞内に肉眼的結節を伴う症例は25例中12例(48%)であった.12例中で主膵管型もしくは混合型IPMNでは高度異型または癌が8例中6例(75%)であったが,分枝型IPMNでは4例中1例(25%)にとどまった.肉眼的結節を認めた12例のうち11例では結節性病変が周囲組織に比べ異型度が最も高く,一部の症例では結節内に癌病変が認められたが,1例(高度異型)では肉眼的結節部は周囲組織よりも異型度が低いと診断された.一方で肉眼的結節を認めなかった13症例においても軽度から中等度異型腺腫を8例(62%)に認め,高度異型または癌が5例(38%)に認められた.
【結語】現在の国際ガイドライン上,造影結節の存在診断はIPMN症例における手術適応である.我々の解析では分枝型IPMNでは造影結節の存在は手術適応としての有用性が低い可能性が示唆された.IPMN手術適応としてのHigh-risk stigmataのさらなる解析・評価が必要である.
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