演題

PJ6-7

進行膵癌切除例の検討

[演者] 板倉 淳:1
[著者] 渡辺 光章:1, 細村 直弘:1, 雨宮 秀武:1, 川井田 博充:1, 河野 寛:1
1:山梨大学附属病院 第一外科

【目的】2016年に膵癌取扱い規約の改定がなされ,TNM分類との相同性,BRの定義などが盛り込まれている.今回当科の切除症例の解析から新旧stageの比較検討と新stageに基づく治療戦略を検討した.
【対象】1996年9月から2016年9月までに当科で切除術が施行されたstageII,III通常型膵癌144例を対象とした.このうち補助療法として放射線治療が加えられた症例をRT群 ,それ以外の症例をnonRT群として検討した.また,術前のCA19-9最高値による術後の再発形式・時期も検討した.
【結果】IIA/IIB/III症例はそれぞれ63/65/16例で平均年齢は70.0/69.9/65.5歳であった.男女比はそれぞれ38/25,29/36,12/4,術式はPD/DP/TPが35/27/1,39/15/1,3/12/1であった.MSTはIIA30.5,IIB19.5,III19.2か月でp=0.0015,1/3/5年生存率はIIA症例で80.0/42.1/37.9%,IIB症例で74.2/35.3/19.0%,III症例で70.6/8.2/0%であった.一方,旧stageでの評価では,III/IVa/IVb症例が68/67/9例で,MSTは35.7/20.0/10.6か月,p=0.0002であった.再発はIIA症例で29例(46%),IIB症例で35例(53%),III症例で13例(81%)で,再発形式では遺残/局所再発/遠隔転移がIIA症例で0/7/22例,IIB症例で0/14/21例,III症例で4/3/6例で,III症例では遺残・局所再発が多い傾向がみられた.術後に遠隔転移をきたした症例の平均再発時期は術後275日で,術後8か月以内に遠隔転移を認めた早期遠隔転移症例の術前CA19-9最高値は平均818mg/dlで,8か月以降に遠隔転移が顕性化した症例の平均297mg/dlに比べ,早期遠隔転移症例で高い傾向にあった.補助療法としてRT群は91例,nonRT群は53例で,進行度(IIA/IIB/III)はそれぞれRT群で40/36/15例,nonRT群で23/19/1例で,MSTは22.2か月と37.9か月で有意差はなかったが化学療法単独例で長い傾向であった.
【結語】以上より,stageIII症例では遺残を含め局所コントロールが困難であることから,術前治療を考慮すべきと考えられた.また術前CA19-9高値例でも潜在的遠隔転移の可能性を考え術前治療を考慮すべきと考えられた.
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