演題

PJ6-6

当科における切除膵癌の治療成績

[演者] 山本 智久:1
[著者] 里井 壯平:1, 柳本 泰明:1, 山木 壮:1, 小坂 久:1, 小塚 雅也:1, 廣岡 智:1, 井上 健太郎:1, 松井 陽一:1, 權 雅憲:1
1:関西医科大学医学部 外科学

【目的】近年,切除可能膵癌に対する治療成績は向上しつつあるが,未だ予後不良な疾患である.JASPAC01 studyから切除膵癌(R0/1,CY-)に対する術後補助化学療法:Adjuvant(AD)にはS1が有用であると報告され,2013年以降はS1によるADを行ってきた.今回,当科におけるそれらの治療成績を検討した.
【方法】2011年から2015年に,当科で切除を行った膵癌140名のうち(conversion surgeryを除く.PRおよびBR症例),CY+(18名:13%),R2切除(2名:1%)を除外した120名(PD:DP:TP=77:39:4)を対象とした(CY-, R0/1切除(R0: 102名(85%), R1: 18名(20%)).
【結果】
<術後補助化学療法> GEMを31名,S1を67名に投与し,22名はADが施行されなかった(N).AD群はN群より予後良好であったが(MST; AD:59ヵ月,N:30ヵ月. P=0,001),GEMとS1ではS1群で良好な傾向があったものの,有意差は認められなかった(3年生存率; GEM:61%, S1:76%, p=0.112) (S1:MST到達しなかったため3年生存率で表記).
98名中ADが完遂できたのは57名(58%)であり,中断した患者より有意に予後良好であった(MST; 完遂:59ヵ月,中断:25ヵ月,p=0.001).
薬剤別に検討したところ,S1の完遂率は60%であり,S1完遂は中断と比較し有意に予後良好であった(3年生存率; 完遂:90%,中断:53%,p=0.003).
また,GEMの完遂率は55%であり,GEM完遂も中断と比較し有意に予後良好であった(3年生存率; 完遂:82%,中断:33%,p=0.004)
<予後因子の解析>単変量解析では術前治療やリンパ節転移,CA19-9値などで差は認められなかったが,膵体尾部癌,ADの施行,AD完遂,R0切除,術中出血量<770ml,手術時間<360minで有意差が認められた(p<0.05).多変量解析では,AD完遂,R0切除が独立した予後因子であった(AD完遂:0.519(0.348-0.756), p=0.001. R0切除:0.510(0.355-0.740), p=0.001) .
【結語】切除膵癌において予後改善にはADの完遂が重要な因子と考えられた.S1によるADは完遂率が高い傾向にあり,予後改善に寄与していると思われた.R0切除を行い,ADが十分に行えるよう,過不足のない手術を行うことが重要である.
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