演題

PJ6-5

腫瘍径4cmを越える膵癌切除例の検討

[演者] 矢澤 直樹:1
[著者] 古川 大輔:1, 和泉 秀樹:2, 藤城 健:1, 山田 美鈴:1, 増岡 義人:1, 益子 太郎:1, 中郡 聡夫:1, 貞廣 莊太郎:1, 小澤 壯治:1
1:東海大学医学部 消化器外科学, 2:東海大学付属八王子病院 外科

【背景】膵癌のTNM病期分類第8版ではT分類が改められ (T1: ≦2cm T2: >2 ≦4cm T3: >4cm),腫瘍径別に分類されることになった.【目的】腫瘍径が4cmを越える膵癌切除例の臨床病理学的特徴と治療成績を明らかにする.【方法】2003年5月から2015年9月に切除された膵腺癌341例を対象とした.腫瘍径≦4cm群 (n=251) と腫瘍径>4cm群 (n=90) の2群に分けて,臨床病理学的因子と予後を比較検討した.両群間の比較にはカイ2乗検定を用いた.Kaplan-Meier法で生存曲線を作成し,log-rank検定で比較した.予後因子についてはCox比例ハザードモデルによる多変量解析を行った.【結果】腫瘍径>4cmは90例 (26.4%).平均年齢は66.8歳 (45-83),男女比は50/40例であった.腫瘍占居部位は頭部/体尾部/その他が48/36/6例.平均腫瘍径は5.5cm (4.2-11.0).組織型はwell/mod/porが30/48/12例であった.リンパ節転移陰性/陽性は25/65例,R0/R1は49/41例であった.腫瘍占居部位 (p=0.001),リンパ節転移 (p=0.008),リンパ管侵襲 (p=0.005),静脈侵襲 (p<0.001),膵内神経浸潤 (p<0.001),S因子 (p<0.001),RP因子 (p<0.001),PL因子 (p<0.001),腫瘍遺残度 (p<0.001)において両群間に有意差を認めた.腫瘍径>4cm群90例の生存期間中央値は15.0か月で,3,5年生存率はそれぞれ14.4%,3.3%であった.腫瘍径>4cm群は腫瘍径≦4cm群よりも有意に予後不良であった (p<0.001).多変量解析では,腫瘍径>4cm (HR 1.496,p=0.008) は独立した予後不良因子であった.【結論】腫瘍径>4cm群のR0切除率は6割に満たず,5年生存率が5%未満と極めて予後不良であった.腫瘍径4cmを越える膵癌は切除可能な場合でも治療成績が不良であり,術前補助化学療法を考慮する必要があると考えられた.
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