演題

PJ6-4

膵癌に対する上腸間膜動脈周囲リンパ節郭清の意義-微小転移を含めた予後への影響-

[演者] 岡田 健司郎:1
[著者] 村上 義昭:1, 上村 健一郎:1, 近藤 成:1, 中川 直哉:1
1:広島大学大学院 外科学

【背景と目的】膵頭部癌において,上腸間膜動脈周囲リンパ節(以下,LN14)転移はしばしば認められ,神経叢温存したLN14全周性郭清を伴った膵頭十二指腸切除を標準術式とする施設は多いが,予後への影響を踏まえたLN14郭清の意義はいまだ一定の見解を得られていない.今回われわれは,膵頭部癌におけるLN14郭清の意義を,微小転移を含めたLN14転移とその予後への影響から検討する.【対象と方法】2002年5月~2016年8月までに当院で膵頭部癌に対して領域リンパ節郭清を伴う根治術を施行し,LN14の病理学的検索が可能であった133例を対象.微小転移は,HE染色で陰性で,抗サイトケラチン抗体CAM5.2を用いた免疫染色で陽性とされたリンパ節転移と定義した.臨床病理学的因子と全生存期間(OS)との相関について,単変量・多変量解析にて検討した.【結果】133例中,HE染色で18例(14%)にLN14転移陽性であった.転移陰性115例のうち免疫染色で8例(7%)に微小転移陽性であった.転移陰性群,HE染色陽性群,微小転移群の3群での臨床病理学的因子との関係は,腫瘍遺残度(p=0.013)で有意差あるも,術前因子で有意差を認めなかった.予後については,単変量解析にて,3群間で有意差を認めなかった.HE染色陽性群と微小転移群を併せた,LN14転移陽性群は転移陰性群と比較して有意に予後不良であった(p=0.031).Cox比例ハザードによる多変量解析にて,微小転移を含めたLN14転移陽性(HR:1.85, p=0.039),術式(HR:2.79, p=0.043),門脈合併切除(HR:2.30, p=0.001),組織型(HR:2.28, p=0.001),術後補助化学療法なし(HR:2.42, p=0.001)が独立した予後不良因子であった.微小転移を含めたLN14転移陽性群26例におけるサブ解析では,多変量解析で,組織型(HR:1.83, p=0.013),術後補助化学療法なし(HR:2.41, p<0.001)が独立した予後不良因子であった.【結論】膵頭部癌において,微小転移を含めたLN14転移陽性群は独立した予後不良因子であったが,LN14郭清と術後補助化学療法を併施することで予後改善の可能性が示唆された.
詳細検索