演題

PJ5-7

膵癌術前精査におけるGd-EOB-DPTA造影MRIと審査腹腔鏡の位置づけ

[演者] 白川 幸代:1
[著者] 外山 博近:1, 浅利 貞毅:1, 後藤 直大:1, 寺井 祥雄:1, 田中 基文:1, 木戸 正浩:1, 味木 徹夫:1, 福本 巧:1, 具 英成:1
1:神戸大学大学院 肝胆膵外科学

【緒言】膵癌に対する集学的治療において外科的切除は最大の治療効果をもつと同時に,侵襲と費やされる時間の面から,非切除となった場合の不利益も大きく,もっとも厳格な適応判断が必要となる.当施設における術前検査,とくにGd-EOB-DPTA(プリモビスト)造影MRI(EOB-MRI)の位置づけと,審査腹腔鏡の実施状況,切除率について後ろ向きに検討した.【対象】2015年4月から2016年6月までに当科を受診した膵癌116例.【結果】116例中,男性74例(64%),年齢中央値は68歳(62-76, IQR),病変の主座は膵頭部83例(73%),切除を完遂したのは52例(44%)であった.画像診断で非切除と診断された46例中,非切除の理由は局所進展22例(48%),遠隔転移22例(48%),高齢などPS2例(4%)であった.肝転移は19例にみとめており,うち7例(47%)は造影CTでは診断できず,EOB-MRIのみで診断可能であった.ソナゾイド造影エコーは本検討では,EOB-MRIの所見の補助診断等で施行されることが多く,単独で肝転移の診断に至った例はなかった.画像で明らかな非切除因子をみとめなかった70例中,17例は術前治療(GS療法またはS-1+放射線治療)を受けた.審査腹腔鏡は8例に施行されており,5例で遠隔転移を認め非切除となった.審査腹腔鏡例を除き,切除を企図して手術へ臨んだ62例中,術中所見により非切除となったのは13例(21%)であった.画像で診断し得なかった遠隔転移17例(審査腹腔鏡5例,試験開腹12例)中,10例が肝転移,6例が腹膜転移であった.肝転移は全例,肝表面の5mm以下の病変であった.局所の診断はR6例,BR4例で,病変の主座は全例膵頭部であった.また腹膜転移はR4例,BR2例,6例中4例は体尾部を主座とする病変であった.【結語】画像検査の段階でEOB-MRIは不要な手術の回避に貢献していた.当院の現状では開腹例の21%が非切除となっており,この群の低減が課題であった.遠隔転移例の局所の所見は必ずしもBRが多くはなかった.さらに検討し,もっとも予後改善につながる診断アルゴリズムを構築する必要がある.
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