演題

PJ5-3

当院における浸潤性膵管癌に対する審査腹腔鏡の有用性の検討

[演者] 長尾 美奈:1
[著者] 須藤 広誠:1, 岡野 圭一:1, 浅野 栄介:1, 岸野 貴賢:1, 大島 稔:1, 藤原 理朗:1, 臼杵 尚志:1, 鈴木 康之:1
1:香川大学附属病院 消化器外科

【はじめに】膵癌は悪性腫瘍の中でも非常に予後の悪い疾患であり,正確な診断と速やかな治療開始が必要とされる.審査腹腔鏡はCTやPETなどの画像検査では診断されなかった非切除因子を比較的低侵襲に発見することが可能であるが,その適応についての明確な基準は存在しない.
【対象と方法】2014年1月から2016年12月までに当科で浸潤性膵管癌に対して審査腹腔鏡を施行した42例を対象とした.審査腹腔鏡の適応としては,膵癌取扱い規約第7版の切除可能性分類で①ResectableまたはBorderline Resectable(PV)のうち,腫瘍径が術前画像上30mm以上またはCA19-9が1500U/ml以上,②Borderline Resectable(A),③Unresectable (LA)とした.
【結果】42症例中,腹腔洗浄細胞診陽性(CY1)と診断された症例は8例(19%),腹膜転移あり(P1)と診断された症例は6例(14%)であった.CY1またはP1の症例を陽性群(9例),CY0かつP0の症例を陰性群(33例)として,両群を比較した.年齢,性別,腫瘍の主座,腫瘍径,CA19-9値,T分類,N分類,切除可能性分類は両群間において有意差を認めなかった(p=0.43,0.26,0.45,0.63,0.72,0.95,0.61,0.14).一方,膵後方組織への浸潤は陽性群で8例(89%),陰性群で18例(55%)で陽性群に多い傾向にあり(p=0.06),門脈系への浸潤は陽性群で9例(100%),陰性群で22例(67%),動脈系への浸潤は陽性群で8例(89%),陰性群で13例(40%)に認め,いずれも陽性群で有意に多かった(p=0.04,0.008).また,FDG-PETのSUVmax.値は陽性群12.2(4.1-26.2),陰性群8.1(2.6-29.5)で陽性群に高い傾向を認めた(p=0.08).ROC曲線を描くとSUVmax.値のカットオフ値は8.5(AUC 0.70)であった.浸潤性膵管癌に対して手術を施行した全症例とは現在比較検討中である.
【結語】浸潤性膵管癌において,主要な脈管への浸潤が疑われる症例や,FDG-PETでのSUVmax.値が高値の症例では,CY1またはP1と診断される可能性が高く,審査腹腔鏡が有用である可能性が示唆された.
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