演題

PJ4-7

膵頭十二指腸切除後の残膵の膵管拡張の意義

[演者] 青木 秀樹:1
[著者] 内海 方嗣:1, 虫明 泰:1, 國友 知義:1, 谷口 文崇:1, 安原 功:1, 荒田 尚:1, 勝田 浩:1, 田中屋 宏爾:1, 竹内 仁司:1
1:岩国医療センター 外科

膵頭十二指腸切除後に残膵の膵管拡張を認める事があるが,その臨床的意義を調べる事を目的として臨床検討を行った.
【対象と方法】2008年4月以降当科で膵頭十二指腸切除を施行し,術後一年間は採血および画像検査を施行し得た60例を対象とした.切除は通常亜全胃温存とし,再建はChild変法で,膵空腸吻合は2013年8月までは柿田式密着法,それ以降はBlumgart法で行っている.膵管粘膜空腸全層縫合は6-0PDSを用いて膵管径により4~12針の結節縫合としている.膵管径は術中は膵切離後に直接計測し,術後は原則造影CTのaxial画像を計測した.術中より径が大きいものを膵管拡張例とした.
【結果】
年齢は40歳から88歳(平均69歳)で,原疾患は膵癌20例,胆管癌12例,IPMN10例,乳頭部癌7例,慢性膵炎4例,十二指腸癌3例,胆嚢癌・NET・SPN・自己免疫性膵炎各1例であった.
平均主膵管径は術中3.78mm,術後1年目3.78mm (n=60),2年目3.48mm (n=38),3年目3.77mm (n=23),4年目3.98mm (n=15)と全体的には大きな変動は無かった.
術後膵管拡張は60例中27例(45.0%)にみられた.密着法では 36例中17例(47.2%),Blumgart法では24例中10例(41.7%)と吻合法では有意差は見られなかった.
疾患を大きく膵疾患(n=37)とそれ以外(n=23)に分けると,膵疾患での拡張例は11例(29.7%),それ以外では16例(69.6%)と有意に膵疾患で低率であった.術中の膵管径は膵疾患平均4.3mm,それ以外2.95mmと膵疾患が有意に拡張していた.
術前からDMと診断されていた症例は13例で,術後軽快した症例は無かった.術後に新たにDMを発症した症例は5例で,全てが膵管拡張例であった.A1Cでみると術後にA1Cが0.5以上上がった症例は13例でそのうち膵管拡張例は7例のみであった.
術後仮性嚢胞は6例に見られ,その時期は6~15か月,全て膵管拡張であった.
急性膵炎は2例に見られ,いずれも膵管非拡張であった.
術後脂肪肝を呈した症例は17例で,そのうち膵管拡張例は 7例であった.
【結語】
術後膵管拡張は半数近くに見られ,膵疾患では低率であった.術後の膵管拡張とA1Cの上昇あるいは脂肪肝の出現には明らかな相関は見られなかった.
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