演題

PJ4-6

Borderline resectable膵癌に対する術前化学放射線療法後のCT画像診断

[演者] 西田 保則:1
[著者] 高橋 進一郎:1, 小嶋 基寛:2, 小林 達伺:3, 稲村 健介:3, 冨田 隼人:3, 杉本 元一:1, 後藤田 直人:1, 小西 大:1
1:国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科, 2:国立がん研究センター東病院 病理診断科, 3:国立がん研究センター東病院 放射線診断科

【背景】Borderline resectable(BR)膵癌に対し術前化学放射線療法(CRT)が施行されるが,術前治療後の画像診断,とくに切除可能性診断に関わる主要血管周囲の膵外神経叢(PL)のCT所見の判定はCRTの影響があり難しいとされる.【目的】BR膵癌CRT後のCT画像診断について検討すること.【対象】2004年から2015年までに当科でBR膵癌(動脈系のみ)に対して切除を行った39例を対象とした.そのうち19例は切除が先行され(non-CRT群),20例は術前S-1併用放射線療法(S-1 80mg/m2・RT 50.4Gy/28Fr)後に切除が施行された(CRT群).【方法】(1) 主要血管への接触角度(2人の放射線科医により再度評価)とPL浸潤(術前診断と病理診断を比較)について,CT所見による判定の精度について検討.(2) 術前画像と病理組織の対比が可能であった29例(CRT 17例,non-CRT 12例)に対し,線維化評価としてAZAN染色と,活性化された線維芽細胞のマーカーとされるα-smooth-muscle actin(α-SMA)の免疫染色を行い,それぞれ主腫瘍とPLにおける染色面積率を計測し比較した.【結果】(1) 主要血管への接触角度は,評価者間での30度までの差異を一致とすると,その一致率はnon-CRT群では75.9%に対し,CRT群では52.9%であった.PL浸潤の術前診断は,non-CRT群では感度100%,陽性的中率 84.2%であったのに対し,CRT群では感度100%,特異度 20.0%,陽性的中率55.6%,陰性的中率100%であった.(2) 線維化評価では,α-SMAの面積率はCRTの有無で主腫瘍では有意差は認めなかったものの,PLではCRT群で有意に低下(p=0.026)していた.一方,AZANの面積率は,主腫瘍,PLともにCRTの有無で差は認めなかった.【まとめ】BR膵癌CRT後では,PLのCT診断精度は低下する.PLにおいては,CRTの効果により,癌細胞の消失に伴ってα-SMAに染色される活性化された線維化領域は減少しても,AZANに示される全体の線維化領域は変わりないことが,CT画像診断を困難にする理由として考えられた.
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