演題

PJ4-4

膵頭部浸潤性膵管癌術後造影CTにおける総肝動脈・上腸管膜動脈周囲軟部陰影と局所再発の関連についての検討

[演者] 京兼 隆典:1
[著者] 河合 徹:1, 松葉 秀基:1, 落合 洋介:1, 浅井 悠一:1, 渡邉 夕樹:1, 久世 真悟:1
1:中東遠総合医療センター

【背景】膵頭部浸潤性膵管癌に対する膵頭十二指腸切除後のフォローアップ造影CTで,術後比較的早期に総肝動脈(CHA)・上腸管膜動脈(SMA)周囲に軟部陰影が出現し,局所再発の所見か手術の影響による所見か判断に迷うことがある.【目的】膵頭部浸潤性膵管癌術後早期に出現するCHA・SMA周囲軟部陰影と局所再発との関連につき検討すること.【対象】当院で膵頭十二指腸切除術を施行した膵頭部浸潤性膵管癌(M症例)31例と,膵頭部良性疾患,あるいは低悪性度腫瘍(B症例)11例.【方法】術後4ヶ月,1年の造影CTでCHA,SMA周囲の軟部陰影の厚みを計測.厚み3mm未満は軟部陰影なしと定義.M症例とB症例のCT所見を比較検討した.また,M症例のうち,局所再発あり7例と,なし24例の所見を比較検討した.【結果】術後4ヶ月のCT所見の検討:M症例とB症例の間で軟部陰影指摘率に有意差はなし(77.4% vs 63.6%).軟部陰影の厚みはM症例で平均6.34mm(3.2~14.0mm),B症例では平均4.83mm(3.2~10.0mm)で有意差なし.B症例で5mm以上の厚さの軟部陰影を認めた症例が2例あった(5.8mm,10.0mm).M症例のうち,局所再発あり/なしで比較すると,軟部陰影指摘率に有意差なし(85.7% vs 75.0%).軟部陰影の厚みは,局所再発ありで平均6.05mm(3.6~11.0mm),局所再発なしで平均6.44mm(3.2~14.0mm)で有意差なし.術後4ヶ月と1年のCT所見の比較検討:B群では,1年後のCTで4ヶ月後と比較し1mm以上厚みが増した症例はなかった.M群の局所再発なしでは,同様に1mm以上厚みが増した症例はなかった.一方,M群の局所再発ありでは,1年以内に再発死した1例を除いた6例中4例で2mm以上厚みが増していた.【まとめ】B群術後CT所見の検討より,手術の影響でCHA,SMA周囲に軟部陰影が出現し得ることが示唆された.B群,あるいはM群の局所再発なし症例で,術後4ヶ月のCTで10mmを超える軟部陰影を認めた症例が3例あった.膵頭部浸潤性膵管癌の術後早期にCTで認められるCHA,SMA周囲の軟部陰影は,手術の影響で出現する可能性も十分あり,局所再発を示唆する所見として重要なのはその後の継時的変化である.今回の検討で,術後4ヶ月と1年のCTを比較し,CHA・SMA周囲軟部陰影が厚くなる症例は局所再発を強く示唆する所見と考えられ,2mm以上の厚み増加が判断基準の一つになると考えられた.
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