演題

PJ4-3

膵癌術前化学放射線療法の治療効果とFDG-PETの意義

[演者] 木下 満:1
[著者] 岩上 佳史:1, 江口 英利:1, 山田 大作:1, 野田 剛広:1, 浅岡 忠史:1, 和田 浩志:1, 後藤 邦仁:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【背景・目的】
近年,浸潤性膵管癌(以下,膵癌)において術前治療の安全性や有効性が示唆されているが,その治療効果判定については,周囲に豊富な線維性間質を有する特徴から,たとえ治療が奏効しても腫瘍が縮小せず,他癌のようにRECISTで評価することが困難な場合がある.一方FDG-PETは膵癌細胞の多寡と相関し治療効果判定の指標となる可能性がある.当科ではこれまで確定診断の得られた膵癌症例に対し,術前化学放射線療法(以下,CRT)を施行したうえで手術を行ってきた.今回FDG集積の指標であるStandardized uptake
value(以下,SUV)と切除組織の治療効果を比較し,さらにCTでの腫瘍径および腫瘍マーカーについても合わせて検討した.【対象・方法】2010年1月から2015年3月までに術前CRT施行後に切除した膵癌症例のうち,術前CRT前後にFDG-PETを施行した60例を対象とした.組織学的治療効果判定はEvans分類を用いて評価した.【結果】Evans分類でGradeⅠ,Ⅱa,Ⅱb,Ⅲ,Ⅳであった症例は,各々9,31,18,1,1例であった.Evans分類GradeⅠ群とⅡa以上群(Ⅱa,Ⅱb,Ⅲ,Ⅳ群)を比較検討した.FDG-PET
におけるSUVmaxは,CRT前値はGradeⅠ群4.0±2.2,Ⅱa以上群4.6±0.9,CRT後値はGradeⅠ群2.8±0.9,Ⅱa以上群2.2±0.4と有意差を認めなかったが,CRT前後の減少率はGradeⅠ群11.7±20.6%,Ⅱa以上群41±9%で有意な低下を認めた(P=0.02).一方CTにおけるCRT前後のサイズ減少率はGradeⅠ群7.2±14.0%,Ⅱa以上群16.5±5.6%で有意差を認めなかったが,腫瘍マーカーにおけるCRT前後の CA19-9減少率はGradeⅠ群23.3±23.4%,Ⅱa以上群60.4±11.9%と有意に低下した(P=0.01).【結語】今回我々の検討では,組織学的治療効果の高い症例で,FDG-PETにおけるSUVmax,およびCA19-9の有意な減少を認めた.FDG-PETは膵癌の術前化学放射線療法の組織学的治療効果を予測する上で有用なモダリティの一つとなる可能性が示唆された.
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