演題

SY13-4

進行胆嚢癌に対する合理的なリンパ節郭清範囲

[演者] 坂田 純:1
[著者] 廣瀬 雄己:1, 堅田 朋大:1, 石川 博補:1, 三浦 宏平:1, 大橋 拓:1, 滝沢 一泰:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【目的】進行胆嚢癌に対する合理的なリンパ節郭清範囲をリンパ節部位別の転移頻度と術後成績から明らかにする.【方法】少なくとも胆道癌取扱い規約第6版の定める領域リンパ節郭清を伴う根治切除が実施された胆嚢癌148例(pT1:14例,pT2:63例,pT3:52例,pT4:19例)を対象とした.進行胆嚢癌に対する基本術式を胆嚢摘出+胆嚢床切除+肝外胆管切除+領域リンパ節郭清(Glenn手術変法)とし,領域リンパ節陽性例ではNo.16郭清追加を原則とした.高度肝浸潤/肝右葉脈管浸潤陽性例には拡大肝右葉切除を,膵浸潤/膵頭周囲リンパ節転移陽性例には膵頭十二指腸切除を付加した.術後観察期間の中央値は161か月であった.【成績】症例あたりの郭清個数中央値は19個(範囲,3-78個)であり,リンパ節転移陽性70例,陰性78例の5年生存率は各々35%,68%であった(P<0.001).リンパ節転移個数が0個,1-3個,4個以上の症例の5年生存率は各々68%,46%,16%であり(P<0.001),リンパ節転移陽性70例中24例が術後5年以上生存した.24例全例がR0切除例であった.リンパ節部位別転移頻度:リンパ節転移頻度はNo.12b(24%),No.12c(19%)が高く,次いで,No.12p(14%),No.13a(13%),No.8ap(12%),No.12a(8%)の順であった.また,No.16,No.9の転移頻度は各々15%(13/85),7%(4/59)であった.領域外のリンパ節転移頻度はいずれも低率であった.リンパ節転移個数が1個の25例中19例(76%)がNo.12bまたはNo.12cへの転移であった.リンパ節転移部位別成績:領域リンパ節転移陽性例の5年生存率(5年生存例)は,No.12b:25%(9例),No.12c:46%(13例),No.12p:22%(4例),No.13a:32%(6例),No.8ap:13%(1例),No.12a:25%(3例)であった.No.16,No.9転移例の5年生存率(5年生存例)は各々15%(2例),25%(1例)であり,それ以外の部位のリンパ節転移陽性例で5年生存例は存在しなかった.リンパ節転移個数が4個以上で5年以上生存した4例中3例で膵頭周囲リンパ節転移に対して膵頭十二指腸切除が実施されていた.【結論】胆嚢癌のリンパ節郭清範囲は領域リンパ節で妥当であり,R0切除例ではリンパ節転移陽性の長期生存例は決して稀ではない.膵頭十二指腸切除は膵頭周囲リンパ節転移陽性例の予後を改善する可能性がある.
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