演題

PJ4-2

膵腫瘤性病変に対する術前FDG-PETの有用性の検討

[演者] 竹下 雅樹:1
[著者] 清水 康一:1, 天谷 公司:1, 山崎 祐樹:1, 寺井 志郎:1, 渡邉 利史:1, 柄田 智也:1, 松井 恒志:1, 加治 正英:1, 前田 基一:1
1:富山県立中央病院 外科

【はじめに】近年,画像診断の進歩やEUS-FNAによる病理診断も可能になり,膵癌の術前診断の質は向上してきた.しかし,リンパ節転移の正診率は低く,膵腫瘍には多段階の悪性度を持つ膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN),膵神経内分泌腫瘍 (pNET)のような腫瘍が存在することや,典型的な画像診断を呈さず術前診断の難しいSolid Pseudopapillary neoplasm (SPN)の報告も増えている.これらの診断精度を向上させるために,質的情報も得ることができるとされるFDG-PET (PET)を施行する機会が増えている.当院でも診断困難例を中心に施行しており,切除症例を対象にPETの有用性をretrospectiveに検討した.【対象と方法】当院で術前膵腫瘍を疑い,膵切除を施行した症例のうち,術前PETを施行した症例98例を対象とし,PETによる計測値(SUVmax)により病理学的因子などを検討した.【結果】年齢の中央値は69.5歳(17-84)で,男性57例,女性41例であった.浸潤性膵管癌 52例,非浸潤性膵管癌 1例,転移性膵腫瘍 2例,IPMN 21例,粘液産生膵腫瘍(MCN) 2例,漿液性嚢胞性腫瘍(SCN) 2例,pNET 8例,SPN 4例,非腫瘍性病変 6例であった.全症例SUVmax中央値は4.1(0-59)であった.集積を認めない症例は14例(14.3%)であった.内訳は膵管癌1例,IPMN7例,MCN1例,SCA1例,pNET2例,膵炎1例,貯留嚢胞1例であった.リンパ節転移陽性の症例は41例であり,PETにて検出可能であった症例は7例であった.疾患別のSUVmax中央値は浸潤性膵管癌 5.5,非浸潤性膵管癌 2.3,転移性腫瘍 6.5,IPMN 2.0,MCN 1.7,SCN 0.9,pNET 3.2,SPN 3.9,非腫瘍性病変 4.5となり,嚢胞性腫瘍,境界病変,悪性腫瘍の順に高くなる傾向にあった.腫瘍径,腫瘍マーカー,再発の有無ではSUVmaxに一定の傾向は無かった.膵管癌の分化度,pNETのgrade別にはSUVmaxに差はなかったが,IPMNではIPMA,IPMC noninvasive,IPMC invasiveの順に高くなる傾向があった.【結語】FDG-PETではリンパ節転移検出度は他の検査に比して高いとは言えなかった.病理学的悪性度に対してSUVmaxは上昇する傾向があるため,診断の補助にはなりうると思われる.
詳細検索