演題

SY13-3

局所進行胆嚢癌に対する根治を目指した拡大手術の意義の検討

[演者] 山本 有祐:1
[著者] 杉浦 禎一:1, 岡村 行泰:1, 伊藤 貴明:1, 蘆田 良:1, 加藤 吉康:1, 大木 克久:1, 山田 美保子:1, 上坂 克彦:1
1:静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科

【目的】進行胆嚢癌の拡大手術の意義を検討した.
【対象】2002-2014年のT2(UICC)以上の胆嚢癌113切除例を対象とし,1)113例の予後因子の解析,2)2区域以上肝切除(majorHx)群(n=33)の予後因子の解析及び開腹後切除不能判明群(UR群:n=18)との比較,3)PD群(n=24)の予後因子の解析,4)majorHx群における門脈合併切除(PVR,n=10),majorHPD(n=10)の拡大手術の長期成績の検討を行った.
【結果】在院死亡はmajorHx群では認めなかったがS4a+5切除で1例認めた.1)majorHx群(MST17.7か月,5生率29.8%)はminor Hx群(n=80,MST66.7か月,5生率51.8%)より不良だが,UR群(MST11.4か月,5生率0%)より良好であった(p=0.002).113例の多変量解析の結果,動脈浸潤(HAI),リンパ節転移(LNM),肝転移(IM)が独立した予後因子であったが,majorHxは独立した予後因子ではなかった.2)MajorHx群(n=33)での多変量解析の結果,HAI(n=7,MST12.9か月,5生率0%,p=0.007)とIM(n=3,MST13.6か月,5生率0%,p=0.03)が独立した予後因子で,それぞれUR群と同等であった(p=0.90, p=0.55).LNM陽性(n=23,MST17.2か月,5生率16.3%)は陰性(n=9,MST:NA,5生率58.3%)より不良だが(p=0.030)UR群より良好であった(p=0.027).3)PD群(n=24, MST36.7か月,5生率40.7%)は非PD群(n=89,MST60.3か月,5生率46.4%)と同等の予後であった(p=0.565).PD群の多変量解析の結果,Alb3.0g/dL以下(p=0.029),LNM(p=0.038)が独立した予後因子であった.4)majorHx群(n=33)においてPVR群(n=10,MST17.6か月,5生率40.0%)は非PVR群(n=23,MST21.5か月,5生率27.9%)と差がなく(p=0.663),UR群より良好であった(p=0.005).majorHPD群(MST17.6か月,5生率40%)はmajorHx単独群(n=23,MST17.7か月,5生率25.8%)と同等の予後で(p=0.821),UR群より良好であった(p=0.014).MajorHPD群の中でもmajorHx群とPD群の予後因子(HAI,IM,LNM,Alb3.0g/dL以下)が1個以下の症例(n=5)の成績は良好で(MST:91.7mo,5生率40.0%),予後因子2個以上の症例(n=5, MST8.6か月, 5生率0%)より良好だが(p=0.002),予後因子2個以上の症例はUR群と同等の成績であった(p=0.559).
【結語】IMやHAIは切除成績が極めて不良で集学的治療が望ましい.major HPDやPVRの切除成績はPD非施行群や非PVR群と遜色がないため,予後因子を有さない症例を選択すれば許容される術式である.リンパ節転移例は切除不能群より予後良好だが長期生存例は少なく,早期の補助療法の確立が望まれる.
詳細検索