演題

早期胃癌術後における体重減少の基準について

[演者] 勝部 隆男:1
[著者] 佐川 まさの:1, 山口 健太郎:1, 浅香 晋一:1, 宮澤 美希:1, 横溝 肇:1, 塩澤 俊一:1, 吉松 和彦:1, 島川 武:1, 成高 義彦:1
1:東京女子医科大学東医療センター 外科

【目的】胃切除後の体重減少は胃癌術後の後遺症であるが, 術前BMIの影響を含め,個人差が強いことも事実である.今回,早期胃癌術後における体重減少の基準について検討した.
【対象と方法】2010年1月~2015年1月の早期胃癌139例を対象とした.まず,術後1年経過時の体重減少率について,累積度数分布表の75percentile(13.2%)を超えた34例を減少例(A)とした.さらに,術前のBMIを3群(やせ16例(<18.5),標準92例(18.5-25),肥満31例(≧25))にわけ,各々の累積度数分布表の75percentile(8.7%(やせ),12.9%(標準),18.7%(肥満))を超えた33例を減少例(B)とした.これら(A),(B)について,臨床病理学的因子との関連をみた.検討項目は,性別(男性/女性),年齢(≧80/<80),胃切除範囲(全摘/幽門側胃切除),到達法(開腹/腹腔鏡下)肺合併症(あり/なし),糖尿病(あり/なし),Onodera's Prognostic nutritional index(PNI)(<40/≧40),modified Glasgow prognostic score(mGPS ABC/D),Neutrophil/Lymphocyte(N/L)(<3/≧3),術後合併症(あり/なし),周術期の体重減少(高度/通常)を選択した.統計解析はFisherの正確検定を用いた.
【結果】(A)の頻度をみると,全摘9例(64.3%)/幽門側胃切除25例(20.0%)(p=0.001),術後合併症あり10例(45.5%)/なし24例(20.5%)(p=0.03),周術期の体重減少高度24例(57.1%)/通常10例(10.3%)(<0.0001) ,術前BMIやせ0例,標準の21例(61.8%),肥満の13例(38.2%)(p=0.005)であり,全摘,術後合併症あり,周術期の体重減少高度で頻度が高く,術前BMIやせにはみられなかった.一方,(B)の頻度をみると,全摘10例(71.4%)/幽門側胃切除23例(18.4%),mGPS ABC 24例(19.4%)/D 9例(60.0%)(p=0.002),術後合併症あり17例(77.3%)/なし16例(13.7%),周術期の体重減少高度20例(58.9%)/通常13例(39.4%)(<0.0001)であり,(A)と同様に全摘,術後合併症あり,周術期の体重減少高度で頻度が高い以外,mGPS Dで高率であった.
【結語】早期胃癌術後体重減少の基準について検討したが,臨床病理学的因子との関連では共通点が多くみられた.しかしながら,単一の値で評価すると,術前やせの症例が除外されるため, BMIごとに基準を設けることも考慮すべきと考えられた.
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