演題

胃切除後の体重および大腰筋容積変化の検討

[演者] 宮崎 真一郎:1
[著者] 金井 俊和:1, 関本 晃:1, 池田 貴裕:1, 大菊 正人:1, 林 忠毅:1, 田村 浩章:1, 平山 一久:1, 池松 禎人:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター 消化器外科

【緒言】近年,大腰筋面積は栄養状態の指標の一つとして注目されている.ただし,大腰筋の面積と容積が乖離する症例も存在し,面積よりも容積の方がより良い筋肉量の計測法とする報告もある. 一方,胃切除後には体重減少をきたすことが多い.体組成変化の中で筋肉量の変化は重要な位置を占めるが,胃癌術後の筋肉量減少の要因はよくわかっていない.
【目的】三次元再構築画像から大腰筋容積(Total psoas volume; TPV)を計測し,TPV変化に影響を与える因子を検討することを目的とした.
【対象と方法】2012年1月から2016年12月までに,当科で胃癌に対して胃切除を施行した胃癌切除170例のうち, 術後体重の記載などの情報不備24例および術後1年以内再発死亡14例を除いた132例を対象とした.術前と術後1年時のCT画像からSynapse Vincent(Fujifilm社)を用いてTPVを算出し,術後一年間の体重およびTPV変化率を年齢,性別,切除術式(幽門側胃切除術(DG) vs 胃全摘術(TG)),病期(StageⅠ vs StageⅡ以降),化学療法の有無について検討した.
【結果・考察】体重変化率に有意差がみられた因子は切除術式であった(DG:-8.4%,TG:-12.4%,p=0.031).一方,TPV変化率に有意差がみられた因子は化学療法の有無であった(化学療法あり;-16.7%,化学療法なし;-10.7%,p=0.049).年齢,性別では体重変化およびTPV変化に有意な差はみられなかった.胃全摘症例では筋肉量の減少が体重減少に占める割合として高くないことが示された.病期での検討では,進行症例は筋肉量の減少率が高い傾向はあるが有意な差はみられなかったことより,化学療法そのものが筋肉量減少の原因になる可能性が示唆された.
【結語】胃癌切除における体重およびTPV変化に影響を与える因子につき検討した.
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