演題

胃癌術後骨格筋量変化とQOLとの関連性の検討

[演者] 植田 吉宣:1
[著者] 瀬下 明良:1,2, 藤本 美樹子:1, 松尾 夏来:1,2, 春日 満貴子:1, 天野 久仁彦:2, 山本 雅一:2, 岡本 高宏:1
1:東京女子医科大学医学部 一般外科学, 2:東京女子医科大学医学部 消化器外科学

【背景】胃癌治療は根治性だけでなくQOLを維持することも重要である.近年サルコペニアやフレイルの概念が浸透するにつれて骨格筋の重要性が指摘されてきており,日常生活において骨格筋量を保つことがQOLを維持する上で重要な要素であると言われている.そこで,胃癌患者における術前後での骨格筋量の変化とQOLの関連性を検討した.【対象】当科で2006年以降に胃癌に対して手術を受け(術式は問わない),現在も定期通院中でCT検査を受けている患者を対象とした.また再発もしくは他癌に対して手術や抗癌剤治療中の患者は対象外とした.対象患者は48名で,年齢中央値71歳,男性30名女性18名,術後からアンケートまでの期間(中央値)39ヶ月だった.【方法】骨格筋量は腹部CT画像で第3-4腰椎間の大腰筋断面積を測定し身長の二乗で補正した値(TPA index)を代替指標として用いた.また骨格筋量の変化は,(アンケート調査時TAP index-術前TPA index)/術前TPA index(変化率%)とした.QOLの評価は胃癌術後障害研究会により作成されたPGSAS-45を用いて評価した.このうち主要評価項目はSF-8のスコアとし,更に身体的サマリースコア(PCS:Physical component summary)と精神的サマリースコア(MCS:Mental component summary)に集約化しスコアリングを行った.【結果】術前のTPA index平均値は586.5,アンケート調査時平均値541.4で,有意差を持って減少していた(p値0.048).変化率とPCS/MCSとの相関係数は-0.31(p値:0.032)/0.04(p値:0.775)だった.MCSに関しては相関関係を認めなかったが,PCSに関しては有意差をもって弱い相関関係を示した.以上より骨格筋量の減少が大きいと術後QOLが不良となることが予想された.
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