演題

当院に於ける胃亜全摘症例の術後短期成績と栄養評価

[演者] 重吉 到:1
[著者] 伊藤 誠二:1, 三澤 一成:1, 伊藤 友一:1, 小森 康司:1, 安部 哲也:1, 千田 嘉毅:1, 木下 敬史:1, 植村 則久:1, 清水 泰博:1
1:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科

【緒言】極小残胃となる胃亜全摘例を胃全摘例と比較し,術後短期成績と栄養状態に差があるか検討した.
【対象・方法】2011年1月~2015年8月に当院で施行した胃癌根治術症例の内,他癌同時切除例,4型胃癌,食道浸潤症例,残胃全摘症例,術後再発症例を除く,胃亜全摘術例(STG群)39例と胃全摘症例(TG群)83例を後ろ向きに比較検討した(全例Roux-en-Y再建).幽門側胃切除・Roux-en-Y再建例の内,内視鏡における腫瘍上縁から食道胃接合部 (以下EGJ)までの距離とproximal marginの差が3cm以下の症例を胃亜全摘症例と定義した.
【結果】STG群とTG群で年齢,性比,BMI,開腹手術割合,病理学的Stageに差は認めなかった.手術時間に差はなかったが(295.7min vs. 307.3min),出血量はTG群で有意に多かった(100ml vs. 300ml, p=0.004).
Clavien Dindo分類gradeⅡ以上の術後合併症はSTG群で少ない傾向にあり(10.3% vs. 24.1%, p=0.09),TG群では3例に縫合不全を認めた(STG群にはなし).在院日数はTG群で長かった(12.0日 vs. 13.0日, p=0.02).
術後補助療法のない症例(STG 25例,TG 58例)で,術前に対する術後1年の体重割合,ヘモグロビン(Hb)値,アルブミン(Alb)値,総コレステロール(Tchol)値を比較したが,体重割合,TcholはSTG群で有意に高かった(体重割合:88.9% vs. 87.3% p=0.02, Hb:12.9g/dl vs. 12.8g/dl p=0.91, Alb:4.2g/dl vs. 4.1g/dl p=0.05, Tchol:189.9mg/dl vs. 168.1mg/dl p=0.02).そして2,3年後も同じ傾向であった.術後補助療法施行例(STG 14例,TG 25例)でも同様の検討を行い,STG群で術後1年の体重変化が少なくTcholが高い傾向にあった.
【結語】STG群ではTG群と比較して術後合併症が少ない傾向にあった.また術後の体重変化が少なく,栄養評価項目が高い傾向にあった.僅かでも貯留能が残ることが食事量に影響している可能性が考えられた.
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