演題

高齢早期胃癌患者の予後不良因子の検討

[演者] 櫻井 克宣:1
[著者] 久保 尚士:1, 玉森 豊:1, 田村 達郎:2, 豊川 貴弘:2, 田中 浩明:2, 六車 一哉:2, 西口 幸雄:1, 平川 弘聖:2, 大平 雅一:2
1:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 2:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

【はじめに】日本の高齢化は今後ますます進み,2030年には75歳以上の後期高齢者が,現在の2倍近くに増加すると推計されている.75歳の平均余命は男性12.1年,女性15.7年である.早期胃癌に対する標準治療は外科治療であり,根治できれば高齢者でも長期生存が望める.一方,高齢者はハイリスク患者であり,術後成績が不良な症例も存在する.今回の研究の目的は早期胃癌に対して手術を受けた高齢者の予後予測因子を検討することである.【対象と方法】2施設で胃切除を施行され,pStage1であった75歳以上の高齢胃癌患者239例を対象とした.術後5年生存が得られなかった患者(A群)と得られた患者(B群)に分けて,患者背景と治療成績を比較検討した.
【結果】A群/B群:62例/177例.平均年齢は80.5歳/78.9歳で,A群で有意に高齢であった(p=0.0022).併存疾患(%)は不整脈(14.5vs6.2),脳血管障害(17.7vs6.8),肝臓疾患(14.5vs5.7),腎臓疾患(50.0vs24.3)がA群で有意に多かった(p=0.0042, p=0.0118, p=0.0264, p=0.0002).小野寺栄養指数OPNIは43.6/45.9でA群で有意に低値であった(p=0.0031).ASA-PS(1/2/3)はA群4/37/21,B群23/141/13でA群にハイリスクが有意に多かった(p=<.0001).深達度pT(1/2)はA群54/8,B群149/28,リンパ節転移(+)は6例(9.7%)/9例(5.1%)で有意差はなかった.胃全摘(%)は12(19.4)/22(12.4),腹腔鏡(%)は41(66.1)/134(75.7)で有意差はなく,手術時間,出血量にも有意差はなかった.術後在院日数(中央値)は15/13でA群が有意に長かった(p=0.0460).5年生存をアウトカムにして単変量解析では,不整脈,脳血管障害,肝臓疾患,腎臓疾患,ASA-PS,OPNIが予後不良因子で,多変量解析ではASA-PSとOPNIが独立した予後不良因子であった(HR2.57 [95%CI:1.30-4.92, p=0.0071], HR2.08 [95%CI:1.25-3.51, p=0.0049]).【結語】75歳以上の高齢早期胃癌患者の予後予測にASA-PSとOPNIは有用である.
詳細検索