演題

SY13-1

胆嚢癌に対する蛍光ナビゲーション手術 -ICG蛍光法を用いた肝切除範囲の決定-

[演者] 瀬尾 智:1
[著者] 戸田 怜:1, 西野 裕人:1, 福光 剣:1, 石井 隆道:1, 田浦 康二朗:1, 安近 健太郎:1, 岡島 英明:1, 海道 利実:1, 上本 伸二:1
1:京都大学附属病院 肝胆膵・移植外科

【背景】胆嚢癌の肝切除範囲のコンセプトはsurgical marginの確保と微小転移を疑う部位の予防的切除であり,前者に対して拡大胆嚢摘出術,後者に対して肝S4a+5切除という術式があるが,その優劣は明らかではない.近年肝胆膵分野においても蛍光イメージング技術を用いた手術が行われており,当科では2012年から胆嚢動脈よりICGを注入し,PDEカメラにて描出された還流域を肝切除範囲とする新しい術式を導入している.
【目的】胆嚢癌に対するICG蛍光法を用いた肝切除範囲決定の手技を供覧し,短期成績を報告する.
【対象】2012年1月から2016年8月までの期間に4例に対してICG蛍光法を用いて胆嚢動脈灌流域を肝切除範囲とする胆嚢癌手術を施行した.【手技】胆嚢動脈を露出後離断し,断端から24ゲージの静脈留置カテーテルを挿入し動脈クリップにて固定.延長チューブを通じて100倍希釈ICGをゆっくり注入しPDEカメラを用いて胆嚢動脈灌流域を描出し,肝切離線のマーキングを行った.全例リンパ節郭清を施行した.
【結果】男性2例,女性2例で平均年齢72歳であった.平均手術時間は439.8分,平均出血量は504.5ml,平均術後在院日数は16.5日であった.深達度はmp : 1例,ss : 2例,se : 1例でN1を1例認めたが,全例EM0であった.GEMによる補助化学療法を施行した1例がリンパ節再発し化学療法中だが,他の3例は無再発生存中である.
【考察】4例における蛍光領域は不均一で,一律2㎝のsurgical marginとも肝S4a+5領域とも一致しなかった.
【結語】胆嚢癌に対する蛍光ナビゲーション手術は,新たな胆嚢癌の術式になりうる可能性が示唆された.

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