演題

85歳以上の超高齢胃癌患者におけるNCDリスクカリキュレーター予測死亡率と実際の手術成績との比較

[演者] 山本 和義:1
[著者] 藤田 正一郎:1, 藤田 淳也:2, 木村 豊:3, 安達 慧:1, 高 正浩:1, 野中 亮児:1, 藤江 裕二郎:1, 橋本 和彦:1, 大西 直:1
1:NTT西日本大阪病院 外科, 2:堺市立総合医療センター 外科, 3:近畿大学附属病院 外科(上部消化管外科)

【背景】社会の高齢化と医療技術・周術期管理の進歩により消化器癌手術を受ける症例の高齢化が進んでおり,当院では2006年の胃癌手術の平均年齢が65歳であったのが2016年には70歳と10年間で5歳高齢化していた.高齢者は手術のリスクが高いとされるが,個々の症例でどの程度リスクが高まるか,外科医の感覚でICが行なわれ,そのICを判断基準に患者,家族が最終的に決定してきた.そこで当科における85歳以上の初発胃癌症例におけるNCDフィードバック機能を用いた手術予測死亡率をRetrospectiveに検討し,手術決定過程における有用性を検討した.
【対象と方法】2006年1月~2016年10月当院において初発胃癌に対して,消化器内科・外科の合同カンファレンスにて治療方針を決定した85歳以上の超高齢患者34例から内科ESDによって断端がnegativeであった4例を除く 全30例.
【結果】30例中7例は切除を行わず,早期癌(Stage I)に対しては無治療で経過観察,進行癌(Stage III-IV)に対しては2例がバイパス術,1例が減量化学療法,1例は無治療で経過観察されていた.23例に対して切除(TG4例,DG18例,局所切除1例)が行なわれ,2例に手術関連死亡を認めた.NCDフィードバック機能リスクカリキュレーターの予測30日死亡率(4.8 vs. 0.5%, p=0.0011)・予測手術関連死亡率(7.4 vs. 1.5%, p=0.0011)は,結果的に切除を回避した症例で有意に高かった.切除症例の中で,手術関連死亡となった症例が予測30日死亡率(2.3 vs. 1.2, p=0.27),予測手術関連死亡率(2.3 vs. 1.2, p=0.51)が有意に高いという訳ではなかった.当院で手術を回避した症例および切除後手術関連死亡となった症例を抽出するROC解析では予測30日死亡率1.7%(AUC 0.881, p<0.0001),予測関連死亡率5.8%(AUC 0.857, p=0.0016)がカットオフラインとして検出できた.
【結語】NCDフィードバック機能を用いたRisk Calculatorから得られた予測30日死亡率,関連死亡率は,リスクが高いと判断し切除を回避した症例で有意に高値であり,手術適応の決定および患者ICの参考になると考える.
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