演題

当院における85歳以上の超高齢者胃癌手術の検討

[演者] 奥村 直樹:1
[著者] 後藤 亜也奈:1, 横井 亮磨:1, 土屋 博:1, 多和田 翔:1, 佐々木 義之:1, 松井 康司:1, 足立 尊仁:1, 山田 誠:1, 杉山 保幸:1
1:岐阜市民病院 外科

<はじめに>近年の急速な社会の高齢化に伴い,当院でも高齢者に対する胃癌手術症例の割合が年々増加している.特に85歳以上の超高齢者に対する胃癌手術の方針の決定にあたっては,根治性だけでなく患者の耐術能などを考慮に入れた総合的な判断が必要となる.当院における85歳以上の超高齢者と80-84歳の高齢者の胃癌手術症例の背景因子や手術成績の比較検討を行ったので報告する.
<対象>当院で2008年~2014年7月までの胃癌手術症例全487例を対象とした.
<方法>高齢者群(80-84歳,n=65)と超高齢者群(85歳以上,n=28)で,術式,病理学的因子,短期術後治療成績(手術時間,出血量,周術期合併症,術後在院日数),術後化学療法,転帰を後ろ向き解析にて比較検討した.
<結果>患者背景:超高齢者群は,高齢者群より有意に女性患者が多かったが,PS,併存疾患の割合に差を認めなかった.術式;超高齢者群は,高齢者群より有意に手術時間が短く,ガイドライン推奨郭清度未満の手術が多くみられた.周術期合併症,術後在院日数,自宅退院割合は,超高齢者群:高齢者群でそれぞれ,10.7%:9.2%,26日:23.5日,79%:84%であり有意な差は認めなかった.転院や他施設への入所などで,その後の転帰が不明となった症例が多くみられた.
<考察>周術期合併症の発生や身体侵襲を懸念し,85歳以上の患者には縮小手術を選択する傾向であったが,患者背景には両群間で大きな差はみられなかった.高齢者の胃癌手術では年齢のみでなく,臓器機能や患者の活動性,社会的背景などさまざまな因子から総合的に治療方針を立てていくべきだと考えられた.
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