演題

超高齢者(85歳以上)胃癌切除症例の周術期因子の変遷 直近5年と過去の比較

[演者] 蒲原 行雄:1
[著者] 山口 峻:1, 黒島 直樹:1, 藤井 美緒:1, 東 尚:1
1:長崎県島原病院 外科

背景)長寿化社会に突入してるが,高齢者そのものの体力は過去に比し向上していると報告されている.当院はがん診療連携拠点病院であるが背景の医療圏は人口減少・高齢化し,高齢者の手術症例は増加傾向にある.今回,85歳以上超高齢者胃癌切除例を直近の5年とそれ以前に分け周術期因子を比較した.
対象と方法)平成18年から28年末までに当院で切除を実施した後期高齢者(75歳以上)の胃癌172例を対象に直近5年のⅠ群(n=76),とそれ以前のⅡ群(n=96)にわけ,85歳以上を超高齢者と定義し以下を検討した.
1)各群における超高齢者の比率
2)各群超高齢者の術前状態(疾病を有する臓器数,ASA分類,Performance Status; PS),栄養状態(Alb,リンパ球数),腫瘍因子(深達度,脈管侵襲,リンパ節転移,臨床病期),術後合併症発生数
結果)
1)超高齢者の比率はⅠ群で有意に多かった(Ⅰ群21/ 76,(Ⅱ群13 /96 p<0.05).
2)Ⅰ群,Ⅱ群内の超高齢者とその他の比較では有意な差を認めなかったが,Ⅰ群およびⅡ群の超高齢者間の比較ではⅠ群ではASAⅢ以上やPS3以上の症例は有意に減少していた(ASAⅢ以上;前期群42%,後期群25% p<0.05,PS3以上:前期群36%,後期群17%,p<0.05).栄養状態は同等で腫瘍因子では臨床病期は両群とも90%以上が臨床病期Ⅱ以降の進行癌であったが各因子には差はなかった.術後合併症発生数およびClavien-Dindo Ⅲ以上の症例数には差はなかったが,自宅退院はⅠ群で40%と(Ⅱ群 55%)減少傾向にありこの一因として患者の独居が挙げられた.
結論)当院おける超高齢者胃癌手術例は増加傾向にあり,5年以上前の症例と直近5年間の比較では担癌生体の術前状態は良好であったが社会環境の改善が必要である.
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