演題

SY12-8

手術手技向上における多施設共同での肝移植医療人養成プログラムの効果と課題 -六大学連携プログラム-

[演者] 山本 栄和:1
[著者] 高木 弘誠:2, 中沼 伸一:3, 三浦 宏平:4, 嶋田 圭太:1, 菅原 寧彦:1, 猪股 裕紀洋:1
1:熊本大学附属病院 移植外科, 2:岡山大学病院 肝・胆・膵外科, 3:金沢大学附属病院 肝胆膵・移植外科, 4:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

肝移植手術は,高度な手術手技と経験を必要とする.欧米においては肝移植の研修プログラムや手術手技の修練コースなど肝移植外科医の育成システムが確立しているが,わが国ではこれまでそのような育成システムが存在しなかった.われわれは,文部科学省から公募された「課題解決型高度医療人材養成プログラム」の「高難度手術領域」に採択され,6大学(千葉大学,新潟大学,金沢大学,岡山大学,長崎大学,熊本大学)の連携の下,肝移植のhigh volumeセンターである京都大学,国立成育医療研究センターの指導を得て,「国内初の,肝臓移植を担う高度医療人養成(-六大学連携プログラム-)」を2014年より開始し,その中で肝移植を担う外科医養成事業を行っている.外科履修生は,3年間の実習期間内に連携施設や指導施設での実際の肝移植手術への参加や術後管理の研修,脳死臓器摘出の連携施設間サポートによる修練,ブタを使用した脳死下肝臓摘出・肝移植シミュレーション実習,などの手術手技の修練を行っている.これまでに事業開始後3年が経過し,合計15名の外科履修生を得て,平成28年度には3名の履修生が研修を修了した.この3名は,3年間で平均36例の肝移植(生体ドナー/レシピエント 平均29例,脳死ドナー/レシピエント 平均4例)を経験し,また,3年目には自施設での肝移植手術の際の執刀機会も増えている.このプログラムへ参加することで,手術経験数の増加から実際に執刀できる外科医の増加効果が認められ,肝移植外科医の育成に寄与しているものと考えている.また,同年代同環境の他施設外科医との連帯感も醸成され,切磋琢磨する動機の醸成にも寄与している.今後は,このプログラムで行われている肝移植の知識や技術の継承を6大学以外へどのように広げていくかが課題である.本発表では,当プログラムの活動について報告する.
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