演題

当院の高齢者胃癌に対する治療成績

[演者] 木建 薫:1
[著者] 宮本 勝也:1, 坂下 吉弘:1, 二宮 基樹:1, 横山 雄二郎:1, 橋本 泰司:1, 小林 弘典:1, 大塚 裕之:1, 迫田 拓弥:1
1:広島記念病院 外科

【背景】高齢化に伴い,近年,当院においても高齢者の胃癌手術症例が増加している.高齢者は耐術能が低下しており,術後合併症の増加が懸念され,手術適応に関して慎重に考慮する必要がある.当院における80歳以上の高齢者胃癌手術症例について解析,検討を行った.【対象・方法】当院において2011年4月から2016年9月までに胃癌手術を施行した80歳以上の高齢者で試験開腹を除く84例を対象とした.80歳以上84歳以下の高齢者群(O群)と85歳以上の超高齢者群(SO群)において臨床背景因子および手術成績について後方視的に比較,検討を行った.【結果】O群は49例,SO群は35例であった.臨床背景因子は,性別,術式,組織型,Stage,縮小手術の有無,開腹/腹腔鏡下手術,ASA-PS,および ECOG-PSに有意差を認めなかったが,BMIおよび血清アルブミン値はSO群がO群に比べて有意に低値であった.合併症については,Clavien-Dindo分類 Grade II以上はO群,SO群でそれぞれ 30例(61%), 24例(69%)で有意差を認めなかったが,Grade III以上は3例(6%),8例(23%)とSO群で有意に多かった(p=0.025).Grade III以上の合併症の内訳は,O群ではGrade IIIaが2例で消化管縫合不全が1例,腹腔内膿瘍が1例,Grade IIIbが1例で消化管縫合不全であった.SO群ではGrade IIIaが4例で消化管縫合不全が1例,術後麻痺性イレウスが1例,消化管吻合部狭窄が1例,不整脈が1例,Grade IIIbが1例で消化管吻合部狭窄,Grade Vが3例でいずれも誤嚥性肺炎による死亡例であった.【考察】当院においては85歳以上の超高齢者でClavien-Dindo分類 Grade II以上の合併症率に差は認めなかったが,Grade III以上の合併症の発生率が高く,特に誤嚥性肺炎による致死的な合併症を認めた.当院の超高齢者胃癌症例に関しては嚥下機能を考慮し手術適応に関しては慎重になるべきであると考えられた.
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