演題

腹腔洗浄細胞診陽性・腹膜播種陽性胃癌に対する治療戦略

[演者] 中村 公紀:1
[著者] 中森 幹人:1, 尾島 敏康:1, 勝田 将裕:1, 辻 俊明:1, 早田 啓治:1, 加藤 智也:1, 川井 学:1, 横山 省三:1, 山上 裕機:1
1:和歌山県立医科大学医学部 外科学第二教室

【はじめに】当教室では腹膜播種の可能性の高い症例に対して審査腹腔鏡 (SL)を施行し,腹腔洗浄細胞診陽性症例(CY1),腹膜播種陽性症例(P1)に対しては化学療法を施行し,化学療法の奏功例には再度SLを行い,陰転化すればconversion surgeryを行っている.【対象と方法】2005年から2014年まで大型3型・4型症例,漿膜浸潤陽性症例に対しSLを行った進行胃癌115例(男76例,女39例)を対象にconversion surgery の有用性を検討した.【結果】内訳は,CY0P0症例は56例,CY1P0症例は26例,P1症例は33例であった.生存期間中央値(MST)は,CY0P0:38ヶ月,CY1P0:21ヶ月,P1:12ヶ月で,CY1P0,P1で有意に予後不良であった(CY0P0 vs CY1P0; p=0.031, CY0P0 vs P1; p<0.001).CY1P0症例で化学療法を行った24例のうち18例に再度SLを施行し,12例(50%)にCY0P0が得られたためconversion surgery (R0切除)を施行した.その化学療法の内訳は,S-1/CDDP:9例,Docetaxel/CDDP/S-1:2例,S-1/Docetaxel:1例で,投与コース中央値は5コースであった.CY1P0症例の独立予後不良因子はconversion surgery非施行であり,conversion surgery 施行症例と非施行症例のMSTは,40ヶ月,11ヶ月で,施行群が有意に長かった(p<0.001).また,conversion surgery施行症例と初回CY0P0症例の生存期間の比較では,両群間に差は認めなかった(p=0.889).一方,P1症例は全例化学療法を施行し,そのうち奏功した7例に再度SLを施行し,5例(15.2%)にCY0P0が得られたためconversion surgery (R0切除)を施行した.無再発生存期間中央値は12ヶ月であった.2016年よりSOX療法を施行し,CY1もしくはP1症例の3例にSOX療法を施行し,2例にconversion surgeryを施行し得た.【結語】腹腔洗浄細胞診陽性症例,腹膜播種症例に対するconversion surgeryは有望な治療法であるが,まだ十分な治療成績ではなく,現在,SOX療法の有用性について検討を行っている(UMIN000023405).
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