演題

腹膜播種を伴う進行胃癌に対するConversion therapyの検討

[演者] 石田 道拡:1
[著者] 久保田 哲史:1, 三宅 聡一郎:1, 丁田 泰宏:1, 原野 雅生:1, 松川 啓義:1, 小島 康知:1, 井谷 史嗣:1, 塩崎 滋弘:1, 岡島 正純:1
1:広島市立広島市民病院 外科

【諸言】
腹膜播種は切除不能因子とされるが,近年,Conversion therapyにより良好な治療成績の報告が散見される.今回,当院で経験した腹膜播種を伴う胃癌に対するConversion therapyの治療成績から,腹膜播種を伴う進行胃癌の治療戦略を検討した.
【方法】
2006年1月から2014年12月まで当院で診断した腹膜播種を伴う進行胃癌に対して,化学療法を施行し切除した15例の臨床病理学的特徴や治療成績を検討した.
【結果】
腹膜播種15例の内訳は,P1(Clinically); 10, P0CY1; 2, P1CY0; 1, P1CY1; 2例で,旧規約別では,P1; 3, P2; 5, P3; 5例であった.男性, 女性; 6, 9例,年齢中央値; 64(28-76)歳,化学療法期間; 5(2-14)ヶ月,コース数; 5(2-10)であった.腫瘍サイズ; 125(35-240)mm.胃全摘, 幽門側胃切除; 12, 2例,D1, D2郭清; 3, 12例.病理所見では,分化型, 未分化型; 2, 13例,深達度: SS, SE; 3, 12例,リンパ節転移:N0, N1, N2, N3; 7, 0, 4, 4例であった.
手術後,R0(P0CY0)が6例に達成できており,R1(P0CY1)は4例,R2(P1)は5例であった.2年生存率は全体で44.4%,R0, R1, R2は63, 50, 20 %,生存期間中央値(MST)は全体, R0, R1, R2; 21, 32, 21, 14ヶ月で,R0のうち3例(50%)は,3年以上生存した.再発はR0で4例(67%, 腹膜3, 肝臓・卵巣,1)に認め,無再発生存期間(RFS)は17(4-54)ヶ月であり,R1は4例(100%, 腹膜4)に認め,RFSは10(8-13)ヶ月であった.
R0とR1/2の比較では,腫瘍サイズ(90mm, 160mm. p= 0.03),リンパ節転移個数中央値(0, 4. p=0.05),P3割合(0%, 56%. p=0.04)に有意差を認めた.
【考察】
腹膜播種を伴う進行胃癌は,Conversion therapyによるR0手術を施行することで,生存期間の延長が期待できる.化学療法でP0CY0を成し遂げて根治切除を行う事が治療戦略上,重要である.しかしながら,P3のような腫瘍量の多い腹膜播種はP0CY0になりにくい傾向があり,腹膜播種量による分類は,Conversion therapyの治療戦略の指標になる可能性が示唆された.一方で,R0手術後でも高率に腹膜播種が再燃するため,腹膜播種再発を抑える術後化学療法の開発が必要であると考えられた.
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