演題

SY12-7

カダバー手術手技トレーニング(CST)を通した次世代への外科手術手技伝承の取り組み

[演者] 藤山 泰二:1
[著者] 高井 昭洋:1, 田村 圭:1, 坂元 克考:1, 井上 仁:1, 中村 太郎:1, 小川 晃平:1, 高田 泰次:1
1:愛媛大学医学部 病態制御部門外科学講座(肝胆膵・移植外科学分野)

緒言:経験が限られる複雑な手術手技の伝承には,シミュレーショントレーニングが有用である.愛媛大学ではカダバー手術手技トレーニング(CST)を統括した「手術手技研修センター」が設立され,多科にわたる手術手技研修会を行っている.これまで当科で行ってきたCSTの取り組みを報告すると伴にCSTとアニマルラボトレーニングとの違いを脳死臓器摘出シミュレーションで検討し,今後の若手外科医への手術手技の伝承におけるCSTの意義を考察する.
CSTセミナー:2013年から,主に腹腔鏡手術の研鑽を目的として計8回のセミナーを開催してきた.2015年第6回セミナーから手術のエキスパートを講師として招き手術手技トレーニングセミナーとして開催している.実践的な手術手技を学ぶとともに,開腹手術では直視が困難な視野を見ることにより手術に必要な解剖学的知識の理解を深めている.
CSTとアニマルラボトレーニングとの違い:CSTに用いる献体は,Thiel法という薄めたホルマリンで固定されている.組織は柔軟で解剖学的な層構造を維持しており,手術解剖の把握に有用である.アニマルラボトレーニングにおける最も大きな問題は人と動物の解剖の違いである.ブタを用いた全肝摘出シミュレーションでは,肝十二指腸靭帯が左側に偏移し,横隔膜脚と大動脈間にスペースがあり,肝臓実質内に下大静脈が埋没していることなどから,クロスクランプの際の腹部大動脈周囲の剥離が実際と異なり,バックテーブルの手術トレーニングには適していない.臨場感では生きたアニマルラボでのシミュレーションが優れているが,解剖学的見地からはCSTが優れている.
結語:若手外科医への手術手技の伝承には,それぞれのシミュレーションの特徴を理解したうえで,適切な教育カリキュラムを作成しトレーニングすることが重要である.
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