演題

SOXによりconversion therapyが可能となった進行胃癌の3例

[演者] 吉山 繁幸:1
[著者] 今岡 裕基:1, 安田 裕美:1, 大井 正貴:1, 毛利 靖彦:1, 大北 喜基:1, 藤川 裕之:1, 廣 純一郎:1, 問山 裕二:1, 楠 正人:1
1:三重大学大学院 消化管・小児外科学

【背景】大動脈リンパ節への転移やBulky N2を伴う進行胃癌の予後は悪く,JCOG0405試験においても術前化学療法+手術の対象症例として検討が行われている.今回我々は高度リンパ節転移を伴うstage IVまたはstageIIIC切除不能進行胃癌に対しSOXを導入し,down stageが得られ,治癒切除可能であった3例を経験したため報告する.【症例1】67歳女性.心窩部不快感のため他院にて精査の結果胃癌と診断され当科紹介.術前CTにて腹腔動脈周囲に5cm大のリンパ節転移を認め,総肝動脈周囲にも3cm大のリンパ節転移が認められた.それぞれ血管への浸潤が疑われ,胃癌MUL,gre,type4,por,cT4a,cN3,cM0,cstageIIICと診断された.治癒切除困難でありSOXを導入,3コース後標的病変の50%の縮小が得られ,D2郭清を伴う胃全摘術を施行した.【症例2】78歳女性.心窩部痛,体重減少にて精査の結果胃癌と診断され当科紹介.術前CTにてNo.16リンパ節に転移が認められ,胃癌MU,post,type2,cT3,cN1,cM1(LYM), stageIVと診断された.SOX療法を導入,3コース後のCTにて傍大動脈リンパ節転移は消失,標的病変の54%の縮小が得られ,D2+No.16リンパ節廓清を伴う胃全摘術を施行した.【症例3】77歳男性.食欲不振にて精査の結果進行胃癌と診断され当科紹介.腹腔動脈周囲および膵上縁に4cm大のリンパ節を伴い,胃癌L,post,cT4a,cN3,cM0,cStageIIICと診断,SOXを導入し4コース施行後50.3%の標的病変縮小が得られ,D2廓清を伴う幽門側胃切除術を行った.上記いずれの症例も再発なく外来化学療法継続中である.【考察】JCOG0405試験において術前化学療法(SP)+手術の第II相試験が行われ,高い根治手術率が報告されている.また,SOX療法はSPとほぼ同等の有効性が報告されており,今回の3例においても同様の結果であった.SOXではhydrationが不要のため外来で施行可能であり,術前治療のオプションとなり得る可能性が示唆された.
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