演題

Stage IV胃癌の診療実態と予後に関する診療科横断的調査研究

[演者] 小林 拓史:1,2
[著者] 本多 通孝:2, 藁谷 暢:2, 外舘 幸敏:2, 阿左美 亜矢佳:2, 鈴木 伸康:2, 佐藤 直:2, 高野 祥直:2, 阿部 幹:2, 寺西 寧:2
1:船橋市立医療センター 外科, 2:脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科

【背景】StageIV胃癌の病態は多彩であり,また治療を担当する診療科は複数にまたがっており全体像の把握が困難である.地域医療においては外科医や消化器内科医のみならず腫瘍内科,総合診療科,在宅診療部,緩和ケア科などが診療を分担している.既存研究では主に外科や腫瘍内科の診療成績が示されてきたが5年生存率で5.5~27.5%と幅が大きい.今回,地域のがん診療連携拠点病院におけるStageIV期胃癌の全症例を院内データベースより抽出しその実態調査と,予後について検討した.【対象】2008年1月から2011年12月に当院を受診した胃腺癌のうち,StageIVと診断された124例を対象とした.調査項目は患者の背景因子,腫瘍情報(TNM分類,部位,組織型,病変数),治療内容(手術の有無,術式,化学療法,治療期間),予後情報(生存期間,死亡場所)とした.予後不良の予測因子,治療別の予後につき検討した.【結果】対象の年齢中央値67歳[25~92],男:女=95:29,T2/3/4a/4b=2/6/41/16,N0/1/2/3=8/24/16/12,病変部位=U/M/L/全体=20/56/35/13,病理組織型は分化型/未分化型/その他=43/77/4.治療内容は手術が行われた症例が33例(26.6%)あり,幽門側切除:胃全摘:バイパス=6:20:7,R0/1,2=8/26であった.化学療法は83例(66.9%)に施行されており,無治療(治療不能)の症例が29例(23.4%)であった.全体の生存期間中央値(MST)173日,1年生存率は26.5%であった.予後因子として,R0切除例のMSTは 464日 (p=0.007)と有意に良好であり,R2切除例のMSTは200日であった.無治療群ではMSTは62日(p<0.001)と有意に不良であった.【結語】Stage IV胃癌の診療実態と治療成績について診療科横断的に報告した.治癒切除例では比較的良好な予後を示しているが,全体として治療不能例が23%と多く含まれており,生存期間は2カ月程度と厳しい予後であった.臨床的にStageIVは非常に幅広い対象集団を扱っており,一定の指針を提示しにくが,今後症例を集積し予後予測モデルの作成および治療対象の抽出に関してさらなる検討を行う.
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