演題

大腸癌におけるCA72-4の臨床病理学的検討

[演者] 齊藤 竜助:1
[著者] 安達 智洋:1, 向井 正一郎:1, 矢野 琢也:1, 河内 雅年:1, 佐田 春樹:1, 田口 和也:1, 川堀 勝史:1, 惠木 浩之:1, 大段 秀樹:1
1:広島大学大学院 消化器・移植外科学

背景:CA72-4は,B72.3およびCC49の2種類のモノクローナル抗体により認識される腫瘍関連抗原で,ムチン様高分子上に発現される糖蛋白と考えられている.CA72-4は,消化器癌あるいは卵巣癌などの悪性疾患において血中に高頻度・高濃度に出現する一方,良性疾患ならびに健常者の偽陽性率が極めて低いことが知られている.しかしながら,大腸癌におけるCA72-4の臨床病理学的因子の特徴については十分に知られていない.
目的:大腸癌におけるCA72-4の臨床病理学的因子について検討する.
対象:2014年10月から2016年3月の間,術前にCA72-4を測定して手術を施行した大腸癌66症例.
方法:術前採血の結果から,CA72-4基準値群(n=59),異常群(n=7)の2群を臨床病理学的因子(年齢,性別,BMI,部位,T因子,N因子,遠隔転移,肝転移,腹膜播種,肺転移,遠隔リンパ節転移,組織型,pStage,MSI,Ras変異)で解析した.
結果:全大腸癌66例の年齢中央値67.5歳(21-91),男:女=43例(65.2%):23例(34.8%)であった.BMI中央値は22.1(16.0-33.7),部位は,右側大腸:左側大腸=18例(27.3%):18例(72.7%).T因子は,T1-2:T3-4=32例(48.5%):34例(51.5%),N因子はN0:N1-2=51例(77.3%):15例(22.7%),M因子は,M0:M1=57例(86.4%):9例(13.6%),そのうち肝転移有無は,無:有=59例(89.4%):7例(10.6%),腹膜播種有無は無:有=65例(98.5%):1例(1.5%),肺転移有無は無:有=64例(97.0%):2例(3.0%),遠隔リンパ節転移有無は無:有=65例(98.5%):1例(1.5%),組織型は,分化型:未分化型=〇例:7例(10.6%),pStage1-2:3-4=40例(60.6%):26例(39.4%),MSS:MSI-high:未測定=48例(72.7%):4例(6.1%):14例(21.2%),RAS野生型:変異型:未測定=28(42.4%):20例(30.3%):18例(27.3%)であった.
ロジスティック解析において,CA72-4異常群は腹膜播種(p=0.0034),未分化型(p=0.0034),MSI high(p=0.0304)に有意な差を認めた.
結語
大腸癌におけるCA72-4は大腸癌腹膜播種,未分化型で異常値を示し,バイオマーカーの一つとなる可能性が示唆された.
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