演題

大腸癌手術症例における術前アルブミン・グロブリン比の予後に及ぼす影響

[演者] 毛利 智美:1
[著者] 登内 仁:1, 伊藤 秀樹:1, 尾嶋 英紀:1, 渡部 秀樹:1, 岩田 崇:1, 川村 幹雄:1, 野口 智史:1, 大村 悠介:1
1:三重県立総合医療センター 外科

【目的】 術前アルブミン・グロブリン比(AGR)は様々な癌種において予後と相関することが報告されている.しかし,大腸癌手術症例におけるAGRが術後短期および長期成績に与える影響については不明な点が多い.今回,我々は,大腸癌手術症例におけるAGRが術後成績に与える影響について検討する.
【方法】 大腸癌の診断にて手術を施行した105例を対象とした.AGRは,血清アルブミン値/(血清総蛋白値-血清アルブミン値)より算出した.AGRが術後短期成績である術後合併症発生率および術後長期成績である全生存率に与える影響について検討した.術後合併症および全生存率に対するAGRのカットオフ値はROC解析にて設定した.
【結果】 術前AGRの中央値は1.285,最小値は0.515,最大値は2.190であった.術後合併症発症例におけるAGRは非発症例と比較して有意に高値であった.術後合併症に対するAGRのカットオフ値は1.24で,手術時間とともに術後合併症発症の独立した危険因子であった(オッズ比:3.45,95%CI:1.38-9.04,P=0.008).全生存率に対するAGRのカットオフ値は1.18で,AGR低値群(≦1.18)は37例,AGR高値群(>1.18)は68例であった.AGR高値群の予後はAGR低値群と比較して有意に良好であった(P<0.001).COX比例ハザードモデルを用いた多変量解析にてAGRは,予後に影響を与える独立した因子であった(ハザード比:13.00,95%CI:3.98-50.23,P<0.001).
【結語】 術前AGRは術後短期および長期成績を予測する有用なマーカーであることが示唆された.
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