演題

当院でのStageⅡ,Ⅲ根治的切除大腸癌症例の術後再発因子の検討

[演者] 武田 昂樹:1
[著者] 畑 泰司:1, 高橋 秀和:1, 原口 直紹:1, 西村 潤一:1, 松田 宙:1, 水島 恒和:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【背景】stageII,Ⅲ大腸癌症例においては治癒切除,術後補助化学療法を行っても一定の確率で再発を引き起こすことが知られている. 現在,炎症マーカーや凝固マーカーは術後再発予後因子と報告されているものもあるが,一定の見解は得られていない.
【対象と方法】当院で2010~2012年の根治的切除を行った大腸癌症例のうち,病理学的stageII,III (UICC 7th edition)と診断された140例(男:女=89:51,平均年齢=65.7歳)を対象とし後ろ向きに検討した.術前の血液検査(白血球数,好中球数,PT,APTT,D-ダイマー,CRP,CEA,CA19-9)および術後の血液検査(白血球数,好中球数,CRP)を検討した.術後病理学的因子はT4・脈管侵襲・リンパ節郭清個数・組織型(por・muc)を検討した.再発に関しては,GroupA(2年以内に再発した群)とGroupB(2年以内の再発を認めなかった群)を比較した.数値データはMann-Whitney検定を用いた.ROC曲線でcut off値を算出した上で,2年以内の再発の有無を検定した.P < 0.05を有意な値として検討を行った.
【結果】術後補助化学療法は56例(40%)に施行して,2年以内に再発した症例は26例(18.5%)で,肝転移再発が14例(10%)と一番多かった. 2年以内の再発に関連する因子は術後白血球,好中球数,CRP値で有意差を認めた. 病理学的因子の検討はT4・静脈侵襲で有意な差を認めた. 単変量解析における有意な因子での多重ロジスティック回帰分析では術後白血球,CRP,静脈侵襲が有意な因子であった.
【考察】炎症や凝固は大腸癌の予後と関連があるとされている. 本検討においては炎症マーカーである白血球,CRPは術後再発リスク予測因子となる可能性が示された.
詳細検索