演題

結腸癌における再発予測因子としての術前好中球/リンパ球比,血小板/リンパ球比の検討

[演者] 伊禮 靖苗:1
[著者] 金城 達也:1, 西垣 大志:1, 西巻 正:1
1:琉球大学医学部 消化器・腫瘍外科学

【目的】 結腸癌根治切除症例の再発予測因子として,好中球/リンパ球比(neutrophil lymphocyte ratio : NLR),血小板/リンパ球比(platelet lymphocyte ratio : PLR)の有用性を検討した.【方法】2009年4月から2012年12月まで,当院にて結腸癌根治切除を行った85例を対象とした.術前NLR及びPLRを対象症例の検査値より算出し,ROC曲線より,再発を検出するNLR及びPLRのcut-off値を求めた.年齢,性別,術式,cN,腫瘍径,術前Alb,CRP,CEA値,小野寺PNI,mGPS,術前合併症,並存疾患等の臨床学的事項と共に検討した.【結果】平均年齢65歳,男性49例,女性36例. pStage0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ 6/18/29/25/7例.術前合併症は腫瘍関連感染3例,イレウス9例で,術前化学療法は2例に施行.手術は開腹53 例,腹腔鏡32例.術式は回盲部切除13例,半結腸切除28例,横行結腸切除6例,S状結腸切除16例,前方切除10例,Hartmann手術2例,骨盤内臓全摘1例,結腸亜全摘または大腸全摘4例.二期的な根治切除は5例に施行された.術後合併症は17例に認め,Clavian DindoⅢ以上は4例であった.術後補助化学療法は36例に施行された.観察期間中央値は57ヶ月であった.NLR,PLRのcut-off値は3.2及び142であり,NLR高値群(≧3.2)30例,低値群55例,PLR高値群(≧142)44例,低値群41例を比較した.NLR高値群は有意に術前Alb<4g/dl 35例(p=0.01),並存疾患有り49例(p=0.03),PNI≦40 10例(p<.0001),PLR高値(p<0.001)に相関し,PLR高値群は術前CRP≧0.3 g/dl 23例に相関を認めた.全症例の5年無再発生存率は79%であった.単変量解析では,cN陽性(p=0.01),腫瘍径5cm以上(p=0.0003),術前Alb値<4g/dl(p=0.004),術前合併症あり(p=0.002),術前並存疾患あり(p=0.03),NLR高値(p=0.04),PLR高値(p=0.03)が再発予測因子として考慮されたが,多変量解析ではいずれも有意差を認めなかった.NLR,PLR共に高値を2点, いずれか一方が高値を1点,共に低値を0点として層別化した5年無再発生存率は,2点63%,1点76%,0点91%(p=0.07)であり,因子が増えるほど再発リスクが高い傾向であった.【結論】結腸癌根治切除症例において,術前NLR及びPLRは再発予測因子として有用な可能性が示唆された.
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