演題

待機手術StageⅡ大腸癌患者の術前末梢血白血球分画を用いた予後予測

[演者] 原田 栄二郎:1
[著者] 河村 大智:1, 末廣 祐樹:1, 釘宮 成二:1, 竹本 圭宏:1, 濱野 公一:1
1:山口大学大学院医学系研究科 器官病態外科学

【背景】近年,術前の末梢血血液検査からLymphocyte-monocyte ratio (LMR),Neutrophil-lymphocyte ratio (NLR)を算出し,その値が生命予後予測因子となる可能性があるとの報告がある.【目的】当科で施行したStageⅡ大腸癌のうち,穿孔例や閉塞例など炎症反応を認めていた症例を除き,待機手術を施行したStageⅡ大腸癌について,これらLMR, NLRが生命予後予測因子となり得るかを検討した.【方法】2009年1月から2015年12月までに当科で施行した待機的大腸癌手術の中で,術前腸管閉塞例,穿孔例,重複癌症例を除き,病理組織検査にてStageⅡと診断された86例を対象とした.術前のLMR,NLRを計算し,統計ソフト「R」の「maxstat」パッケージを用いて,それぞれcutoff値を算出した.Cutoff値により,高値群と低値群に分け,Kaplan-Meier生存曲線を描き,log-rank検定を行った.加えてLMR,NLRが生命予後予測因子となり得るかを臨床病理学的因子(年齢,性別,結腸/直腸,腫瘍最大径,分化度,リンパ管侵襲,静脈侵襲,T因子(ss/se/si))とともに,Cox比例ハザードモデルを用いて単変量解析,多変量解析を行った.【結果】StageⅡの5年生存率は90.3%であった.Cutoff値はLMRが2.49,NLRが4.88となった.この値を境として高値群,低値群に分けてlog-rank検定を行ったところ,LMRは高値群で有意に予後良好であり(p=0.002),NLRは低値群で有意に予後良好であった(p<0.001).Cox比例ハザードモデルを用いた単変量解析では,年齢,静脈侵襲,LMR,NLRが有意となり,多変量解析では静脈侵襲,NLRが生命予後予測因子となった.【結語】術前末梢血白血球分画におけるNeutrophil-Lymphocyte Ratio (NLR)はStageⅡ大腸癌の生命予後予測因子となり得る.
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