演題

根治度AのStageIII大腸癌における壁深達度と予後の検討

[演者] 国末 浩範:1
[著者] 瀬下 賢:1, 高橋 達也:1, 津高 慎平:1, 池谷 七海:1, 照田 翔馬:1, 久保 孝文:1, 柿下 大一:1, 森 秀暁:1, 太田 徹哉:1
1:岡山医療センター 外科

【はじめに】StageIII大腸癌は大腸癌取扱い規約ではリンパ節転移の個数による分類のみである.しかし,TNM分類(UICC)では壁深達度も含めた分類がなされており,実際術後補助療法の選択においてはTNM分類を参考にした方がよいという報告もみられる.今回当院での症例を検討し壁深達度と予後との関連,TNM分類と予後との関連を検討した.
【対象・方法】当院における2005年1月から2015年12月までの初発大腸癌切除症例738例中StageIIIで根治度Aであった241例を対象とした.観察期間の中央値は1096日であった.
【結果】男性139例,女性102例.平均年齢70.6歳.結腸136例,直腸105例.郭清度はD2以下94例,D147例.術後補助療法は有109例,無132例であった.大腸癌取扱い規約の分類ではStageIIIa 173例,StageIIIb 68例.StageIII全体の5年生存率(OS)は69.7%で5年無再発生存(DFS)は59.7%であった.StageIIIaではOS 76.8%,DFS 64.0%で,StageIIIbではOS48.9%,DFS 43.2%であった.壁深達度による検討ではT1/T2 23例,T3 164例,T4 54例であった.それぞれのOS,DFSはT1/T2 (90.9%, 82.2%),T3(64.6%, 62.8%),T4(48.8%, 37.5%)であり,OS,DFSの両方とも各群間で有意差を認めた.TNM分類ではStageIIIa 18例,StageIIIb 177例,StageIIIc 46例でそれぞれのOS,DFSはIIIa(90.0%, 92.9%),IIIb(66.2%, 60.4%),IIIc(41.8%, 37.1%)であり,こちらもOS,DFSの両方とも各群間に有意差を認めた.
【結語】壁深達度により予後は有意に異なっていた.またUICC分類ではStageIIIaは予後良好であり,術後補助療法の選択では考慮すべきと考えられた.
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