演題

StageII・III大腸癌の腫瘍占拠部位別にみた臨床病理学的背景因子と再発危険因子の相違点

[演者] 小山 基:1,2
[著者] 岡田 慶吾:1, 北村 謙太:1, 福島 登茂子:1, 松村 知憲:1, 猪瀬 悟史:1, 十束 英志:1, 苅込 和裕:1, 諏訪 達志:1, 森田 隆幸:2
1:柏厚生総合病院 外科・消化器科, 2:弘前大腸癌化学療法研究会

【目的】最近,切除不能再発大腸癌では右側大腸と左側大腸で生命予後や抗癌剤奏効性の違いが報告されている.治癒切除症例でも占拠部位で再発危険因子が異なれば術後補助化学療法への影響は大きい.今回,右側と左側大腸におけるStageII-IIIの病理組織学的な相違点を明らかにして,占拠部位別の再発危険因子を解析する.【対象・方法】1994-1997/1999-2003年に多施設から集積されたStageII-III大腸癌625例を対象としてretrospectiveに病理学的再評価を行った.検討1)右側大腸(盲腸~横行結腸右1/2)201例と左側大腸(横行結腸左1/3~直腸)424例の臨床病理学的因子(年齢・性別・肉眼型・壁深達・組織型・組織多様性・リンパ節(LN)転移の有無・中間LN/主LN転移の有無・INF・脈管侵襲(ly・v)・簇出・EX・PN)を比較検討した.検討2)予後追跡可能であったStageII(300例)とStageIII(293例)を占拠部位別に術後成績(再発率・無再発生存率:DFS)から再発危険因子を解析した.単変量解析はχ二乗検定,多変量解析は多重ロジステック回帰分析により解析した.【結果】検討1)占拠部位別の単変量解析で有意差を認めた因子は以下の7項目であった.右側大腸で年齢は高齢(右62.9歳/左60.5歳),性別は女性が多く(右58.2%/左39.2%),主LN転移が多く(右6.0%/左2.1%),組織分化型が少なく(右86.0%/左93.6%),組織多様性が多く(右72.1%/左61.8%),静脈侵襲が少なく(右v2-3:18.4%/左26.9%),PNが少ない(右PN1:30.8%/左39.2%).検討2)StageIIの5年DFSは右側91.4%,左側87.4%.右側の多変量解析では肉眼型浸潤型(限局型5.3%/浸潤型21.1%,P=0.041),左側では女性(男性8.7%/女性19.0%,P=0.008)・壁深達T4(T3:7.9%/T4:22.4%,P=0.008)・INFc(a+b9.7%/c38.1%,P=0.016)・v2-3(0-1:8.5%/2-3:29.3%,P=0.001)が有意な再発危険因子であった.StageIIIの5年DFSは右側63.7%,左側64.3%.右側の多変量解析で男性(男性53.1%/女性27.1%,P=0.009)・壁深達T4(T3:25.0%/T4:46.8%,P=0.015)・PN1(0:25.9%/1:51.4%,P=0.014),左側では壁深達T4(T3:27.5%/T4:47.6%,P=0.006),LN2-3/IIIb(IIIa:26.6%/IIIb:57.6%,P=0.001)が有意な再発危険因子であった.【結論】占拠部位による臨床病理学的な相違点が認められた.StageII補助化学療法の適応やStageIIIのL-OHP適応基準については占拠部位別に再発危険因子を考慮して個別に判断する必要がある.
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