演題

根治切除後のStageⅡ結腸癌患者の予後予測因子についての検討

[演者] 稲本 将:1
[著者] 河田 健二:1, 橋本 恭一:1, 高橋 亮:1, 吉冨 摩美:1, 久森 重夫:1, 角田 茂:1, 肥田 侯矢:1, 小濵 和貴:1, 坂井 義治:1
1:京都大学附属病院 消化管外科

【背景】
根治切除後のStageⅡ結腸癌は一般的に予後が良いとされるが,ASCOやESMOガイドラインが定めるハイリスク群においては再発率が高く,予後が不良であると言われている.また近年,術前血液データを用いたNLR(Neutrophil to Lymphocyte ratio),GPS(Glasgow Prognostic Score),単球数やAlb値といった指標が癌の予後予測因子として多くの癌種で報告され注目が集まっており,これらを組み合わせた,より精密な予後指標が期待されている.
【目的】
StageⅡ結腸癌術後患者における各種因子の再発リスク予測能を検証する.
【方法】
2005年6月から2010年6月まで,当院で原発性大腸癌に対する根治術を受けた448人のうち,StageⅡ結腸癌患者128人を対象とした.術前NLR,GPS,単球数,Alb値に加え,ガイドラインで提唱されているハイリスク因子(低分化型,T4症例,リンパ節郭清個数12個未満,術前CEA高値)について無再発生存(RFS)に対するlog-rank検定を用いた単変量解析にて有意差(p< 0.05)を認めた項目について,Cox proportional hazard regression modelを用いて多変量解析を行った.
【結果】
患者年齢の中央値は72.8歳,男女比は70:58であった.全128人のRFSについて術前NLR,GPS,単球数,年齢,性別,結腸の左右,分化型,T因子,リンパ節郭清個数,術前Alb値,CEA値,CA19-9値について単変量解析したところ,Alb値,T因子,リンパ節郭清個数については有意差が認められた.そこでこれら3因子を多変量解析にて検討したところ,Alb値(3.5g/dL未満),リンパ節郭清個数(12個未満)が有意な再発リスク因子であった(HR:3.564/p =0.006,HR: 4.656/p <0.001).さらに,これらを組み合わせたAlb値(3.5g/dL以上)かつリンパ節郭清個数(12個以上)の症例群は有意に再発リスクが低いことが確認された(p <0.001).
【考察】
一般にstageⅡにおけるハイリスク因子と言われている項目の一部は今回の検討では再発予後に寄与しなかった.一方,術前Alb値とリンパ節郭清個数は有意な再発リスク因子であり,これらの組み合わせはstageⅡ結腸癌の再発予後予測に寄与する可能性が示唆された.
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