演題

StageⅡ大腸癌の治療成績および再発危険因子の検討

[演者] 平嶋 倫亮:1
[著者] 大沼 忍:1, 唐澤 秀明:1, 渡辺 和宏:1, 長尾 宗紀:1, 阿部 友哉:1, 武者 宏昭:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【目的】StageⅡ大腸癌に対する治療成績を明らかとし,再発に関与する臨床病理学的因子を明らかとする.【対象と方法】2008年1月から2016年6月に当院で根治術を行ったStageⅡ大腸癌120例(右側大腸:53例,左側大腸:67例,男 : 女 = 64 :56,年齢33~90歳,中央値70歳)を対象とした.ASCOおよびESMOガイドラインで提示されているStage II大腸癌の再発危険因子 (T4以深,郭清されたリンパ節個数が12未満,低分化癌,穿孔,腸閉塞,リンパ管侵襲陽性,脈管侵襲陽性,傍神経浸潤陽性)や腫瘍マーカー・簇出などの因子と再発との関連をΧ2検定で解析した.術前化学療法施行例,他臓器癌合併切除例などは除外とした.Χ2検定で優位差のあった因子に関して再発との関連を,比例ハザード解析を用いて多変量解析を行った.また,Kaplan-Meier曲線を用いて上記因子と生存率の関連性を検討した.【結果】Kaplan-Meier曲線で求めたStageⅡ大腸癌の術後5年生存率は84.0%,無再発生存率は80.2%であった.再発例の5年生存率は60.2%, 無再発例は90.6%であった.再発に関与する危険因子として,T4以深例 (p=0.0011),低分化癌例 (p=0.0008),リンパ管侵襲陽性例 (p=0.0175),穿孔例 (p=0.0134),簇出陽性例 (p=0.0007),CEA高値例 (p=0.0039)の6因子が抽出された.さらに上記6因子で多変量解析すると,ハザード比(95%信頼区間)がT4以深例 2.92(-0.06-1.11),低分化癌例 8.47(0.15-1.91),リンパ管侵襲陽性例1.07(-0.62-0.82),穿孔例 100.3(0.57-3.87),簇出陽性例 2.65(-0.27-1.11),CEA高値例 5.12(0.15-1.59)となり,低分化癌例,穿孔例,CEA高値例が,統計学的有意差をもって再発危険因子として抽出された.上記6因子と生存率との関係を解析すると,T4以深例が統計学的有意差をもって5年生存率が低かった (p=0.0159).【結語】StageⅡ大腸癌に対する治療成績を明らかとした.Stage II大腸癌の再発危険因子として,低分化癌例,穿孔例,CEA高値例が抽出された.従来から言われている因子以外に,高CEA血症が新たなStage II大腸癌の再発危険因子になる可能性が示唆された.
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