演題

腸閉塞を来した虫垂原発Mixed adenoneuroendocrine carcinomas(MANECs)の一例

[演者] 吉森 大悟:1
[著者] 原 敬介:1, 山田 岳史:1, 小泉 岐博:1, 進士 誠一:1, 横山 康行:1, 高橋 吾郎:1, 岩井 拓磨:1, 武田 幸樹:1, 内田 英二:1
1:日本医科大学付属病院 消化器外科

症例は47歳女性.11ヶ月前に下腹部痛を自覚.前医受診し精査したが明らかな異常所見はなく症状が自然軽快したため経過観察となっていた.10ヶ月後,再度下腹部痛が再燃したため前医にて腹部CT検査を施行したところ,終末回腸の腫瘤影と口側腸管の拡張,腸管内容の貯留を認め,腸閉塞の治療と回盲部病変の精査目的に当院消化器内科紹介受診となった.施行した小腸内視鏡検査ではバウヒン弁と上行結腸の粘膜に発赤と浮腫を認めた.生検にてgoblet cell carcinoidが最も疑われため,施行したソマトスタチン受容体シンチグラフィーでは回腸末端に集積を認めた.経過中,保存的加療にて一時的に症状が軽快するが,食事の再開と同時に腸閉塞の再発を認めたため,手術適応と判断し当科紹介となった.回盲部切除術を施行.術中所見で大網とダグラス窩に腹膜播種を認めた.摘出標本の病理組織学的検査では,虫垂にgoblet cell様の粘液を含んだ異型細胞が増生し,一部por2様の組織像が混在していた.免疫染色ではChromogranin A 40%陽性, Synaptophysinが 10-20%陽性,Ki67が60-70%陽性であり,最終診断は虫垂原発腺内分泌細胞癌(Mixed adenoneuroendocrine carcinomas, MANECs)であった.病期はpT4aN1M1a(P2)pStageIVとした.術後治療としてはmFOLFOX6+Bevacizumabで加療中である.術後8ヶ月目現在,再発なく経過中である.
MANECsは2010年WHO分類で定義された疾患概念であり,症例の蓄積が極めて少なく大変稀である.大腸癌における内分泌細胞癌の頻度は本邦では全大腸癌の0.2%前後とされ,その中でも虫垂原発は大変稀であると報告されている.我々が「虫垂原発腺内分泌細胞癌」および「虫垂原発MANECs」をキーワードに検索したところ,本邦での報告は会議録を含め6例であり,自験例が7例目である.我々が経験した虫垂原発腺内分泌細胞癌の1例について報告する.
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