演題

虫垂腫瘍26例の臨床病理学的検討

[演者] 新井 周華:1
[著者] 若月 一雄:1, 塩原 正之:1, 須田 浩介:1, 宮澤 康太郎:1, 相田 俊明:1, 三好 哲太郎:1, 高橋 佳久:1, 吉岡 茂:1
1:千葉市立海浜病院 外科

【目的】虫垂腫瘍は比較的まれな疾患であり,術前に虫垂癌と良性腫瘍を鑑別することは困難である.今回我々は当院で施行した虫垂腫瘍の手術症例を臨床病理学的に検討したので報告する.
【対象】2001年1月から2016年10月までに手術を施行した虫垂腫瘍26症例を対象に年齢,性,症状,術前検査,術前診断,手術術式,病理診断と予後などにつき検討した.
【結果】平均年齢は58歳(34歳~73歳),男女比は9:17と女性に多く,症状としては腹痛が16例(右下腹部痛:13例,下腹部痛:1例,上腹部痛:2例),発熱が2例に認めた.術前検査としては腹部エコー,注腸検査,腹部CT検査と下部消化管内視鏡検査が施行され,術前診断では虫垂癌11例,虫垂粘液嚢胞腫瘍3例,右卵巣腫瘤2例と急性虫垂炎10例と診断されていた.術式は右半結腸切除術2例,虫垂切除術8例と16例に回盲部切除術が施行されそのうちの1例はS状結腸合併切除が施行されていた.術前に右卵巣腫瘤と診断され婦人科で手術中に虫垂癌の診断された2例は回盲部切除術と子宮全摘術が施行されていた.切除標本の組織学的診断は腺癌が6例,粘液嚢胞腺癌が7例,Low-grade appendiceal mucinous neoplasmが8例,カルチノイド1例,腺腫1例,その他4例であった.術前に虫垂腫瘍と診断し腫瘍マーカーを測定した症例は20例認め,そのうち虫垂癌症例では12例中10例で腫瘍マーカーの上昇を認め,良性腫瘍症例では8例中いずれも腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.
【結語】虫垂腫瘍を虫垂癌と良性腫瘍を術前の画像診断で診断することは困難であるが術前に腫瘍マーカーを測定することが鑑別診断に有益であると思われた.
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