演題

前立腺癌術後の直腸膀胱瘻に対する経肛門的内視鏡下マイクロサージェリーによる修復術

[演者] 高橋 昂大:1
[著者] 金平 永二:1, 谷田 孝:1, 亀井 文:1
1:メディカルトピア草加病院 外科

背景:直腸膀胱瘻(RVF)は前立腺癌手術後のまれな合併症の一つである.これまでにさまざまな修復が試みられてきたが.標準的治療法は確定していない.TEMは直腸腫瘍に対して広く施行されてきたが,難治性直腸膀胱瘻に対してTEMの手技の応用は一般的ではない.我々はTEMによるRVF修復術を導入し19例に施行したので,手術手技,臨床成績を報告する.
方法:2004年6月から2016年12月までに前立腺癌手術後の直腸膀胱瘻19例に対してTEMによる修復術を施行した.瘻孔周囲の直腸粘膜を電気メスにて直径3cmにわたり,筋層を露出させるように切除した.さらに瘻孔内の粘膜も膀胱側まで切除した.瘻孔の底の膀胱側から直腸筋層を合計4層に縫合閉鎖し,最後に粘膜も縫合閉鎖した.
結果:全例TEMによる修復術を完遂した.平均手術時間は122.4±33.8分であり,術後合併症は1例のみ認めた.(膿瘍:1例)14例(73.7%)において瘻孔の完全閉鎖を認め,人工肛門を閉鎖した.5例の再発例ではいずれも外科手術や放射線治療などの前治療があった.
結論:複数回の外科手術やエネルギー照射などの前治療のために瘻孔周囲が広範囲に硬く瘢痕化している症例では適応外とすべきだと考えられた.しかし,周囲組織に瘢痕化のない瘻孔であれば,低侵襲で合併症の少ない手術療法で,適応となる患者においては有益な治療オプションと考える.今後も経験を重ね,適応の最適化と手技の安定化を図りたい.
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