演題

局所進行直腸癌における術前化学放射線療法前後・手術後の血清CEA変化と組織学的効果・予後との関連性

[演者] 斉藤 剛太:1
[著者] 宮北 寛士:1, 岡田 和丈:1, 田中 彰:1, 鈴木 俊之:1, 中郡 聡夫:1, 小澤 壯治:1, 貞廣 莊太郎:1
1:東海大学医学部 消化器外科学

【背景】局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法(CRT)を用いた集学的治療は,局所再発率を減少させ,腫瘍をdownstagingさせ得ることから標準治療となっているが,信頼性のある効果予測因子・予後予測因子は確立していない.術前CRTおよび手術の前後で血清CEA値は変動する.そこで,術前CRT前,CRT後および手術後の血清CEA値と組織学的効果・予後との関連性を検討した.
【方法】対象は2005年から2013年に術前CRT施行後手術を行ったcT3/T4,Nx,M0またはcT2,N+,M0の中部および下部直腸腺癌149例.術前放射線照射は40-45Gy,同時にUFTあるいはTS-1 baseの化学療法を併用した.手術は放射線照射終了6-8週後に行った.組織学的効果判定にはypCR率,TおよびN downstaging,TRG criteriaを用いた.血清CEA値は5 ng/ml以上を陽性と定義した.CRT前に陰性の症例をGroup1とした.CRT前に陽性の症例は,CRT後に陰性となった症例をGroup2,CRT後も陽性で手術後に陰性となった症例をGroup3,CRT後および手術後いずれも陽性の症例をGroup4とした.生存例の観察期間中央値は60.4か月であった.
【結果】ypCRが得られた症例は,Group1で13例(23.6%),Group2で3例(7.3%),Group3で3例(8.1%),Group4で2例(12.5%)であり,Group間でypCR率には有意な差はなかった.(p=0.094)T downstaingが得られた症例は,Group1で34例(61.8%),Group2で17例(41.5%),Group3で13例(35.1%),Group4で8例(50.0%)で,N downstaingが得られた症例は,Group1で28例(50.9%),Group2で18例(43.9%),Group3で12例(32.4%),Group4で8例(50.0%)であり,Group間でTおよびN downstagingの率には有意な差はなかった.(p=0.060,0.346)
TRGグレード1-2が得られたhistologic responderは,Group1で30例(54.5%),Group2で17例(41.5%),Group3で6例(16.2%),Group4で4例(25.0%)であり,Group1およびGroup2で有意に高率であった.(p=0.001)
5年DFS率は,Group1で75.9%,Group2で74.6%,Group3で77.0%,Group4で48.2%であり,Group4で有意に低値であった(p=0.024).5年OS率は,Group1で88.0%,Group2で90.8%,Group3で85.4%,Group4で67.9%であり,Group4で低い傾向であった(p=0.138).
【結論】術前CRT前後および術後の血清CEA値変化は,組織学的効果および予後と密接に関連していた.
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