演題

局所進行直腸癌における転移陰性リンパ節のサイズと予後との関連

[演者] 岡田 和丈:1
[著者] 貞廣 荘太郎:1, 陳 凌風:1, 宮北 寛士:1, 齋藤 剛太:1, 田中 彰:1, 鈴木 俊之:1, 中郡 聡夫:1, 小澤 壯治:1
1:東海大学付属病院 消化器外科

【目的】大腸癌では回収リンパ節個数が少ない症例は予後不良である. 我々はStage II 結腸癌において, 回収リンパ節のうち最も大きいリンパ節 (最大リンパ節) の長径が大きい症例ほど回収リンパ節個数が多く, 予後が良いことを報告した (Int J Colorectal Dis 2015). 局所進行直腸癌に対する術前化学放射線療法 (CRT) はリンパ節のサイズを縮小し回収リンパ節個数を減らす. そこで局所進行直腸癌の手術単独治療例 (S群) と術前に化学療法を併用して計45Gyの放射線を照射した症例 (CRT群) に分けて最大リンパ節の長径が予後因子になるか検討した.
【方法】対象は1991年1月~2014年3月にR0切除を施行したcStage II, III 中下部直腸腺癌 269例. 長径が最大となる転移陰性リンパ節 (最大リンパ節) を症例毎に1個選出し, 長径を HE染色標本上で計測した. 生存解析の評価項目は Relapse free survival (RFS) とした. 最大リンパ節の長径のカットオフ値 (COV) は 再発または全死亡を event とした ROC曲線から求め, 症例を COV未満と COV以上に分けて検討した.
【結果】S群が 102例, CRT群が 167例だった. 最大リンパ節の長径の平均値は S群 7.4±3.1mm, CRT群 5.9±2.4mm で有意に CRT群は S群に比べ小さかった (p<0.001). CRT群では最大リンパ節の長径が5.2mm以上の症例は 5.2mm未満の症例に比べて有意に予後が良かった (HR 0.57, 95%CI 0.33-1.00, p=0.047). S群全体では最大リンパ節の長径は予後因子にならなかったが, S群のうちリンパ節転移のない Stage II 症例 (n=42) では最大リンパ節の長径が 6.1mm以上は 6.1mm未満の症例に比べ有意に予後が良かった (HR 0.30, 95%CI 0.13-0.68, p=0.002).
【結語】局所進行直腸癌においても転移陰性の最大リンパ節の長径は予後因子になった.癌の転移以外によるリンパ節の腫大はリンパ節内の細胞成分が過形成を示すことにより生じる. 転移陰性リンパ節のサイズは, 宿主の腫瘍免疫を反映している可能性がある.
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