演題

造影CTのフラクタル解析を用いた直腸癌術前化学放射線療法の組織学的効果判定予測

[演者] 藏田 能裕:1
[著者] 大平 学:1, 早野 康一:1, 宮内 英聡:1, 成島 一夫:1, 今西 俊介:1, 高橋 有未子:1, 澤田 尚人:1, 渡邊 裕樹:1, 松原 久裕:1
1:千葉大学大学院 先端応用外科学

【背景・目的】進行直腸癌に対する術前化学放射線療法(NACRT)の治療効果には症例差がある.治療開始前に治療効果を予測する手法は,いくつかの報告はあるものの,確立されていない.
近年,腫瘍の治療抵抗性や感受性に関する因子として,腫瘍内ヘテロ不均一性(intratumoral heterogeneity, ITH)が注目されている.我々は,治療前に撮影した造影CT画像にフラクタル解析を適応することによりITHを評価し,それにより測定されるフラクタル次元(Fractal dimension, FD)がNACRTの組織学的効果予測に有用であることを報告してきた.
今回,直腸癌に対する,治療効果予測におけるFDの有用性を検討した.
【対象・方法】2009年4月から2016年12月まで,当科で治療を行った,NACRT後に手術を施行した直腸癌44例.男性27例,女性17例.年齢中央値は68(30-88)歳.NACRT前の深達度診断はT2 1例,T3 24例,T4a 7例,T4b 11例.術後の病理組織学的判定はGrade1a 7例,1b 10例,Grade2 20例,Grade3(pCR)7例.
NACRT前に撮影した造影CTを用いて,腫瘍が最大径となる部位に関心領域を設定し,画像解析ソフトImage J(NIH)でFDを測定した.FDの他,NACRT前の腫瘍因子(腫瘍径,T因子,N因子,組織型など)や血液生化学検査所見(好中球/リンパ球比(Neutrophil/ Lymphocyte ratio, NLR),Glasgow prognostic score,腫瘍マーカーなど)と,術後の組織学的効果判定とを比較した.
【結果】FDはpCR群で0.92±0.13,Grade1.2群で1.04±0.13で,pCR群でFDは有意に低値であった(p=0.03).その他,pCR群では,血清CEA値が低く(p=0.09),腫瘍径が小さく (p=0.11),LNRが低い(p=0.12)傾向にあった.
【結語】造影CT画像を用いたフラクタル解析によって得られるFDは,NACRTの組織学的効果予測の新規バイオマーカーとして有用である可能性が示唆された.
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