演題

当院における局所進行直腸癌に対する集学的治療成績

[演者] 櫛山 周平:1
[著者] 日月 亜紀子:1, 井上 透:1, 櫻井 克宜:1, 久保 尚士:1, 玉森 豊:1, 永原 央:2, 前田 清:2, 大平 雅一:2, 西口 幸雄:1
1:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 2:大阪市立大学附属病院 消化器外科

局所進行直腸癌では局所再発率が高いことが問題となっており,海外では直腸癌に対する術前CRT(chemoradiotherapy)の局所制御の有効性が示され,広く施行されているが,日本のガイドラインでは有用性は確立されていないとされている.当院では,80歳未満の深達度Ai,もしくはN1以上の他臓器転移を伴わないRb直腸癌に対して,術前CRTを行っており,現在では,50-50.4(1.8-2.0Gy/fr×25fr)+TS-1 80mg/m2/日 照射日のみ内服)し,6週間後に手術とし,側方リンパ節郭清については,CRT前の画像診断にて転移が疑われた症例にのみ施行している.今回我々は,2005年1月から2016年10月までに当院で術前CRTを施行した9例について検討したので報告する.年齢は68.02(41.09~78.06),男性6例女性3例.放射腺照射は,総量 39.6-50Gy,併用抗癌剤は,TS-1 50-80mg/m2/日 5例,UFT+CPT-11 2例 ,UFT/UZEL+CPT-11 1例,UFT 1例であった.術前治療因子は,Aiが6例,N1以上が2例,肛門温存希望が1例.CRTに伴う有害事象は,grade3の肝機能障害が1例とgrade2の白血球減少をみとめたのみであった. 手術は,APRが7例,ISRが2例で,6例が腹腔鏡で手術が行われていた.側方郭清は7例で行われており,全例両側施行されていた.病理学的検討では,効果判定は,3が3例,2が2例,1b1例,1a3例であった.側方リンパ節転移は,1例にのみ認めた.壁深達度は,pCR 3例,A 5例で1例のみ膣への浸潤が残存しており,Ai であった.進行度は,0 1例,2 4例,3a 1 例,3b 2例であった.術後合併症は,創感染3例,手術を要した癒着性イレウス 1例,リンパのう腫1例,その他1例であった.在院日数は,24日(13-151).術後補助療法は,3例で施行されていた.再発は,3例に認めたが,局所再発は認めず,いずれも遠隔転移であった.今回の検討では,CRTによる有害事象はgrade3が1例のみであり,CRTは安全に施行できると考えられた.治療成績では,grade3の効果判定が3例あり,局所制御には有効な治療と考えられたが,一方で3例に遠隔転移再発を認めており,治療適応にはさらなる検討が必要と考えられた.
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