演題

StageⅣ大腸癌の検討

[演者] 尾入 保彰:1
[著者] 杢野 泰司:1, 小林 一郎:1, 松原 秀雄:1, 金子 博和:1, 栗田 大資:1, 山本 龍生:1, 二村 雄介:1, 花澤 隆明:1, 弥政 晋輔:1
1:八千代病院 外科

【はじめに】大腸癌は近年,手術療法や化学療法を含む集学的治療の進歩に伴い,生存率が向上している.StageⅣ症例についても同様であるが,StageⅣ症例は病変部の臓器が多岐に渡るため,治療方針の決定が複雑である.今回,我々は当科におけるStageⅣ大腸癌症例をretrospectiveに見直すことにより,治療方針を検討した.【方法】2006年から2014年の間に,当科で原発巣切除を施行したStageⅣ大腸癌症例を,StageⅣの理由,切除所見により分類し,retrospectiveに比較検討した.生存分析にはKaplan-Meier法を用い,Log-rank検定を行った.【結果】期間内に行われた大腸癌手術は562例あり,その内,StageⅣ症例は84例であった.84例の内,男性42例,女性42例,平均年齢66±13歳.StageⅣ全体の生存期間中央値は24.2ヶ月,3年生存率は35.9%,5年生存率は19.3%であった.転移臓器数に関しては,M1aが59例(CurB:26例,CurC:33例),M1bが25例(CurB:3例,CurC:22例).生存期間中央値はM1aが27.2ヶ月,M1bが15.7ヶ月と,有意にM1a症例で良好であった(p<0.05).M1aの内訳は肝転移が37例,肺転移が6例,腹膜転移が9例,遠隔リンパ節転移が7例であった.M1aの中で,転移臓器別に生存期間を比較したが,有意差は認めなかった.転移臓器種類に関しては,肝転移が57例(H1:21例,H2:20例,H3:16例),肺転移が16例(PUL1:6例,PUL2:10例),腹膜転移が21例(P1:8例,P2:6例,P3:7例),遠隔リンパ節転移が20例であった(重複あり).根治度は肝転移でCurB:20例(35%),CurC:37例(65%),肺転移でCurB:1例(6%),CurB:15例(94%),腹膜転移でCurB:5例(24%),CurC:16例(76%),遠隔リンパ節転移でCurB:6例(30%),CurC:14例(70%)であった.StageⅣ全体ではCurB:29例,CurC:55例であり,生存期間中央値はCurBが53.7ヶ月,CurCが15.7ヶ月と,有意にCurB症例で良好であった(p<0.01).【結論】StageⅣ大腸癌の当院における治療成績は,諸家の報告と比較し,同程度であった.今後,症例を積み重ね,治療方針の更なる検討を行っていきたい.
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