演題

2臓器以上の同時性遠隔転移に対して外科的治療を行った進行再発大腸癌症例の検討

[演者] 加藤 成:1
[著者] 呉林 秀崇:1, 藤本 大祐:1, 森川 充洋:1, 小練 研司:1, 村上 真:1, 廣野 靖夫:1, 片山 寛次:1, 五井 孝憲:1
1:福井大学医学部 外科学(1)

大腸癌遠隔転移に対する唯一の根治的治療は外科的切除である.遠隔転移を有する進行再発大腸癌は非常に予後不良であるものの,単一臓器の転移に対する外科的切除の有効性が認識されている.一方で,進行再発大腸癌症例においてはしばしば2臓器以上の転移巣を有しており,これらの多臓器転移巣の外科的切除の治療効果については確立した統一見解は得られていない.今回,我々は,同時期に2臓器以上の転移を有する進行再発大腸癌において遠隔転移巣に対する局所療法を行った症例について検討した.

対象は2005年4月~2016年10月の期間に当科で治療(緩和治療のみは除く)を行った,同時期に多臓器転移を有した大腸癌95症例のうち遠隔転移に対して局所療法(播種巣切除+腹腔内温熱化学療法(CRS+HIPEC)を含む)を行った11例.年齢は34-82歳(平均58.3歳),男性3例女性8例だった.7例がStageIVのM1b症例,4例が再発(StageIIIa2例,StageIIIb2例)だった.再発部位は肝転移9例,腹膜播種5例,肺転移4例,大動脈周囲リンパ節4例,総腸骨リンパ節1例であった(重複あり).局所療法の内容では肝転移:切除8例,RFA1例.腹膜播種:CRS+HIPEC4例,切除1例.肺転移:切除2例,定位放射線治療2例.大動脈周囲リンパ節郭清4例.総腸骨リンパ節切除1例であった(重複あり).5例に遠隔転移巣治療前に化学療法を施行し,術後の化学療法は全例に行った.治療成績は,無増悪生存期間中央値6ヶ月であり,全生存期間中央値41ヶ月であった.これは当院でのStageIV M1a症例(31ヶ月)と同等であり,M1b症例(14ヶ月)と比較し有意に良好な成績であった.
結論:同時期に2臓器以上の遠隔転移を有する大腸癌症例は非常に予後不良であるが,遠隔転移巣に対する局所療法が可能であれば予後の延長が期待できる可能性がある.
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