演題

当院における大腸癌骨転移の治療成績, および予後解析

[演者] 河村 英恭:1
[著者] 山口 達郎:1, 松本 寛:1, 中野 大輔:1, 中山 祐次郎:1, 高雄 美里:1, 高橋 慶一:1
1:がん・感染症センター都立駒込病院 外科

【背景と目的】大腸癌の転移臓器として, 肝転移, 肺転移は一般的であるが, 骨転移は稀であり, 予後不良という報告がある. 今回, 当院における大腸癌骨転移症例の臨床病理学的特徴, および予後因子を検討した.
【対象・方法】2004年8月から2015年1月の期間に, 骨転移を発症した大腸癌患者105例を対象とした.
【結果】平均年齢は63.5±12.0歳, 性別は男性が62例, 女性42例であった. 病変占拠部位は右側/左側: 15/89例, 結腸/直腸: 43/6であった. 組織は分化型/未分化: 89/16例であった. StageIV症例は65例で, そのうち14例で初診時に骨転移を認めていた. 診断時, CEA中央値は44.4 ng/ml (9.7-492.5), CA19-9中央値は 57.0 U/ml(22.9), ALP中央値は 449.5U/L(305.5-765.8), カルシウム平均値は9.47±0.60mg/dlであった. 骨転移発症までの期間の中央値は10.5 (0-105)ヶ月であった. 骨転移診断時にその他遠隔転移は 肝/肺/リンパ節/腹膜播種/局所再発/その他: 50/58/29/16/13で, 2臓器以上の転移のある症例は64例であった. 骨転移発見契機は疼痛が67例で最も多く認め, フォローアップ画像評価で認めた症例は27例であった. 診断方法としては骨シンチが61例で最多であった. 骨関連有害事象は疼痛が最多で84例で認めた. その他病的骨折17例, 脊髄圧迫症状は17例に認めた. 転移部位は, 脊椎に最も多く認められた. 治療法は, 放射線治療/放射線化学療法/姑息的手術/ビスフォスフォネート製剤使用が, 53/13/13/29例であった. 生存期間中央値は5ヶ月(4-9)であった. 全生存期間においてLogrank検定を用いて, 単変量解析を行うと, CA19-9高値, カルシウム高値, 病的骨折, 多発骨転移, 肺転移, 多臓器転移が予後不良因子であった. Cox比例ハザード回帰で多変量解析を行うと, 高カルシウム血症, 病的骨折, 多臓器転移が独立した予後不良因子であった. 【結論】大腸癌骨転移症例の生存期間中央値は5ヶ月と予後不良であった. なかでも, 高カルシウム血症, 病的骨折, 2臓器以上の遠隔転移の症例は予後不良である.
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