演題

同時性腹膜播種を有する大腸癌の治療戦略

[演者] 山本 晋也:1
[著者] 山岸 茂:1, 木村 安希:1, 山田 淳貴:1, 阿部 有佳:1, 中堤 啓太:1, 峯岸 祐蔵:1, 牧野 洋知:1, 上田 倫夫:1, 仲野 明:1
1:藤沢市民病院 外科

目的:同時性腹膜播種を有する大腸癌手術症例の予後規定因子を解析し,治療方針について検討する.
対象と方法:2001年4月から2016年11月までの同時性腹膜播種を有するStageIV大腸癌症例45例を対象とした.これらの予後規定因子をRetrospectiveに解析し,治療方針について検討した.腹膜播種の定義は,手術時肉眼的あるいは組織学的に診断したものとし,大腸癌取り扱い規約でP2である卵巣転移単独症例は除外した.共変量は,年齢(≦70 vs. >70),性別,播種以外の遠隔転移の有無,原発巣占居部位(結腸 vs. 直腸),腹膜播種の程度(P1,2 vs. P3),原発巣切除の有無,根治度(B vs. C),術後化学療法の有無とし,予後に対する単変量,多変量解析を行った.
結果:3年生存率で有意な因子は,他遠隔転移有無(有:18.8% vs. 無:51.8% p=0.023),腹膜播種の程度(P1.2:49.2% vs. P3:26.6%, P=0.011),原発巣切除の有無(有:57.7% vs. 無:0% p<0.001),根治度(B:62.2% vs. C:32.4% p=0.048),術後化学療法の有無(有:65.2% vs. 無:16.5% p=0.001)であった.多変量解析では,腹膜播種の程度(p=0.009, HR=4.008),原発巣切除の有無(p=0.001, HR=6.410),術後化学療法の有無(p=0.008, HR=3.759)が独立予後規定因子として選択された.P3症例でsubgroup解析を行うと,3年生存率で有意な因子は,原発巣切除の有無(無0% vs有50.0% p=0.002),術後化学療法の有無 (無0% vs 有71.4% p=0.005)が予後規定因子であり,多変量解析では原発巣切除の有無(p=0.017 HR=28.57),術後化学療法の有無(p=0.027 HR=11.494)が選択された.
結語:同時性腹膜播種を有する大腸癌症例では,腹膜播種の程度は予後規定因子である.しかしP3症例であっても原発巣切除を含む集学的治療により,予後改善が期待できる可能性がある.
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